(1)カーボンニュートラルの虚実を、まず科学的に捉えよ
📄会議録を見るまとめ
令和3年2月26日に行った2件の一般質問 のうちの1件目です。
-政府がカーボンニュートラルを推進しています。私は、緑を増やすことや、エネルギーの無駄をなくし、資源の無駄遣いをなくしていくことには大賛成です。しかし、リチウムイオン蓄電池の開発に携わり、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの事業者に技術営業し、業界の代表として国際規格のリーダーも務めた私の知識や経験からすると、カーボンニュートラルの考え方には、見過ごせない誤りがいくつも含まれています。
-多くの専門家も指摘しているこれらの誤りは、政治的な目的を達成するために正当化されているものだろうと私は感じています。その誤りが放置されたままだと、国民の福祉を低下させるだけでなく、取り返しのつかない環境破壊にもつながる恐れがあります。
-市議会議員の立場で国の政策を動かすことは困難さがあります。私に今できることは、貴重な市の財源を、このような「ぱっと見は環境に良さそうだが、実は社会や環境の害となる」事業に投じることがないよう、目を光らせることです。今回は、カーボンニュートラルの考え方にどのような誤りが含まれているのかを解説し、それに対する市の姿勢を問いました。
-市の独自財源で年間500万円ほど支出している太陽光パネルへの助成金は、すぐに中止すべきです。その余裕があるなら教育費に回すべきです。
-質問 | 答弁 |
---|---|
市内太陽光発電の総量はどう計算したか | kWの単純合計 |
そのうち、震災のときにも自立して使える容量は | 使えるものもある |
その実現のために市の独自財源から投じた資金の総額は | 約3.8億円 |
2030年までの補助目標4,000件のうち太陽光分は | 太陽光だけの数は出してない |
市内太陽光発電での年間使用電気容量は | 公共施設は約51万kWh |
市内太陽光発電での総売電額は | 公共施設は昨年度約143万円 |
CO2排出量の計算に発電所のアイドリング分は含まれるか | (不明) |
ペレットストーブの試験運用を行っては | 課題があるので研究する |
CO2削減はライフサイクル視点で計算するのか | 吸収量は含ませられない |
排出権取引のしくみは | あるが、その年ごとの換算になる |
政府がカーボンニュートラルを推進しています。緑を増やすこと、エネルギーの無駄をなくすこと、資源の無駄遣いをなくしていくことは私も大賛成です。しかしカーボンニュートラルの考え方には大きな誤りがいくつも含まれています。これは私の知識や経験(リチウムイオン系畜電池の開発に携わり、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーの技術営業もし、業界代表として国際規格化のリーダーも務めた経験)に基づいた見解です。
+多くの専門家が指摘しているにもかかわらず、これらの誤りは見過ごされてきました。これは政治的な理由が背景にあるからです。この誤りが放置されたままでは、国民の福祉が低下するだけでなく、取り返しのつかない環境破壊にもつながる恐れがあります。
+市議会議員の立場で国の政策を動かすことは困難です。今私にできることは、貴重な市の財源が、このような「ぱっと見は環境に良さそうだが、実は社会や環境の害となる」事業に投じられないよう、目を光らせることです。今回の一般質問では、カーボンニュートラルの考えがどう間違えているのかを説明し、それに対する市の姿勢を問いました。
+市は独自財源で年間500万円ほど太陽光パネルへ助成金を支給していますが、すぐに中止すべきです。その余裕があるなら教育費に回すべきです。
+質問 | 答弁 |
---|---|
市内太陽光発電の総量はどう計算したか | kWの単純合計 |
そのうち、震災のときにも自立して使える容量は | 使えるものもある |
その実現のために市の独自財源か ら投じた資金の総額は | 約3.8億円 |
2030年までの補助目標4,000件のうち太陽光分は | 太陽光だけの数は出してない |
市内太陽光発電での年間使用電気容量は | 公共施設は約51万kWh |
市内太陽光発電での総売電額は | 公共施設は昨年度約143万円 |
CO2排出量の計算に発電所のアイドリング分は含まれるか | (不明) |
ペレットストーブの試験運用を行っては | 課題があるので研究する |
CO2削減はライフサイクル視点で計算するのか | 吸収量は含ませられない |
排出権取引のしくみは | あるが、その年ごとの換算になる |
通告書
主な質疑
@@ -24,37 +24,39 @@正確な質疑内容は会議録をご参照ください。
なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。
①質問する理由
用語について
ここでは、二酸化炭素をCO2と表記します。
なお、石油の由来については、学校で習った生物の死骸が起源だとする説(有機成因論/有機起源説)が主流です。一方で、石油(等)は地球内部の高温・高圧の条件下で生成される、非生物由来のものだとする説(無機成因論/無機起源説)もあります。そのため化石燃料という言葉ではなく、単に炭化水素燃料という言葉を使う向きもあるようです。ここでは分かりやすいように化石燃料という言葉を使いました。
菅総理が昨年10月、『2050年カーボンニュートラル』、脱炭素社会の実現を目指すと宣言。それを踏まえ、経産省は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を同年12月に策定した。
一方、この背景にある「CO2の人為的な排出が地球温暖化や気候変動の主な原因である」という説に懐疑的な見解をもつ人々も多い。
たとえば、世界中から900人以上の科学者や専門家が参加するグループが、一昨年9月、国連総長宛てに、“There is No Climate Emergency(気候は非常事態ではない)”という公開書簡を出した。
「政策は科学的・経済的現実を尊重しなければならない」 と結ぶこの書簡には、江崎玲於奈氏とともにノーベル物理学賞を受賞したアイヴァー・ジェーバー氏など、著名な科学者が名を連ねている。
またたとえば、リベラル派の映画監督として知られるマイケル・ムーア氏が昨年公開したドキュメンタリー映画『プラネット・オブ・ザ・ヒューマンズ』では、「太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、政治的目的や特定の人々の利益を実現するために、多分に効果が誇張されており、実際は害となる(ことが多い)」といった趣旨の主張が行われている。
世界的な流れの中、日本が脱炭素社会 の宣言をせざるを得ない状況は一定の理解ができる。しかし同時に、小平市は誤った方向に進むのではないかという危惧がある。
「一定の理解」はできるものの、賛同できるものではありません。
たとえば、先日議決された小平市第四次長期総合計画基本構想は、『温室効果ガスの排出をゼロにする「脱炭素化」に向けて』という、明らかに認識不足の一文が記載されたまま議会に上程された。
市が、今後、このような誤った認識に基づいて、「ぱっと見は環境に良さそうだが、実は社会や環境の害となる」事業に、貴重な市の財源を投じ続けることのないよう、確認の意図をもって、質問する。
まず述べておきたいこと
政策判断になるほどの科学的裏付けがない
1つ目は、『「人為的なCO2排出が温暖化や気候変動を引き起こしている」というのは単なる仮説であり、政策立案の判断材料に用いてよいほどの科学的裏づけがない』と主張する専門家がたくさんいること、そして、その主張には合理的な根拠があるということ。
小平市のお金を投じてよいことではない
とはいえ、小平市としては国の決定に従わざるを得ない。
そこで2つ目として、「CO2削減を推進する」という観点から考えても、小平市が進めているような太陽光発電の事業は、CO2削減には今の時点では時期尚早な方法。お金のない小平市がこういった事業に、市の貴重な財源を投じるのは、いまやってよいことではない、ということ。
私は、かつてリチウムイオン系の新型電池の開発や営業に携わっていた。リチウムイオン電池でノーベル賞を受賞された吉野彰さんと御一緒に講演会をさせていただいたこともある。再生可能エネルギーについても勉強し、裏事情もある程度知っているつもり。
太陽光発電技術などの技術革新は重要
誤解しないでいただきたいのは、私は、太陽光発電などの技術革新は、人類の営みとして重要と考えている。
たとえば宇宙ステーションは、方向を変えたり、加速するとき以外は、ほとんど太陽光パネルからの電力で賄う。宇宙には雲や雪がない。非常に理想的な環境。地球上でも、電力網から隔離された場所で太陽光発電が役に立つ。
震災などの発災時も、電力網が遮断され、かつ、太陽光パネルが異常なく使用できるなら、役に立つだろう。
ただし、電力網が遮断されるほどの震災時は 、太陽光パネル自体や太陽光パネルを設置した家屋が損傷を受ける可能性も高いと思います。その際の漏電・感電リスクや、消火活動中の感電リスクも忘れてはならないものです。
-
+
用語について
ここでは二酸化炭素をCO2と表記します。
なお、石油の由来については学校で習った生物の死骸が起源だとする説(有機成因論/有機起源説)が主流です。一方で石油(等)は地球内部の高温・高圧の条件下で生成される非生物由来のものだとする説(無機成因論/無機起源説)もあります。そのため「化石燃料」ではなく「炭化水素燃料」という言葉を使う向きもあるようです。ここでは化石燃料という言葉を使いました。
①質問する理由
菅総理が昨年10月、『2050年カーボンニュートラル』脱炭素社会の実現を目指すと宣言。それを踏まえ経産省は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を同年12月に策定した。
一方、この背景にある「CO2の人為的な排出が地球温暖化や気候変動の主な原因である」という説に懐疑的な見解をもつ人々も多い。
たとえば世界中から900人以上の科学者や専門家が参加するグループが、一昨年9月、国連総長宛てに、公開書簡“There is No Climate Emergency(気候は非常事態ではない)”を提出。
「政策は科学的・経済的現実を尊重しなければならない」 と結ぶこの書簡には、江崎玲於奈氏とともにノーベル物理学賞を受賞したアイヴァー・ジェーバー氏など著名な科学者が名を連ねている(後述)。
またたとえばリベラル派の映画監督として知られるマイケル・ムーア氏が昨年公開したドキュメンタリー映画『プラネット・オブ・ザ・ヒューマンズ』では「太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、政治的目的や特定の人々の利益を実現するために、多分に効果が誇張されており、実際は害となる(ことが多い)」といった趣旨の主張が行われている。
世界的な流れの中、日本が脱炭素社会の宣言をせざるを得ない状況は一定の理解ができる。しかし同時に、小平市は 誤った方向に進むのではないかという危惧がある。
たとえば先日議決された小平市第四次長期総合計画基本構想には、「温室効果ガスの排出をゼロにする『脱炭素化』に向けて」という明らかに認識不足の一文が記載されたまま議会に上程された。
市が今後このような誤った認識に基づいて「ぱっと見は環境に良さそうだが、実は社会や環境の害となる」事業に貴重な市の財源を投じ続けることのないよう、確認の意図をもって質問する。
②CO2削減政策の欺瞞について
政策にするほどの科学的裏付けがない
+「人為的なCO2排出が温暖化や気候変動を引き起こしている」というのは単なる仮説であり、政策立案の判断材料に用いてよいほどの科学的裏づけがない
+
と主張する専門家が沢山いる。それらの主張には合理的な根拠がある。
小平市のお金を投じてはならない
小平市としては国の決定に従わざるを得ない(ところがある)。しかしCO2削減を推進するとしても、小平市が進めているような太陽光発電の事業は、CO2削減には今の時点では時期尚早であり、お金のない小平市がこういった事業に市の貴重な財源を投じるのは、いまやってよいことではない。
私はかつてリチウムイオン系の新型電池の開発や営業に携わっていた。リチウムイオン電池でノーベル賞を受賞された吉野彰さんと御一緒に講演会をさせていただいたこともある。再生可能エネルギーについても勉強し裏事情もある程度知っているつもり。
太陽光発電などの技術革新は重要
私は太陽光発電などの技術革新は人類の営みとして重要と考えている。
たとえば宇宙ステーションは、方向を変えたり加速するとき以外は、ほとんど太陽光 パネルからの電力で賄う。宇宙には雲や雪がない。非常に理想的な環境。地球上でも電力網から隔離された場所で太陽光発電が役に立つ。
震災などの発災時も、電力網が遮断され、かつ、太陽光パネルが異常なく使用できるなら役に立つだろう。
ただし、電力網が遮断されるほどの震災時は、太陽光パネル自体や太陽光パネルを設置した家屋が損傷を受ける可能性も高いと思います。その際の漏電・感電リスクや、消火活動中の感電リスクも忘れてはならないものです。
つまり、太陽光発電がこの世の中に不要だと言いたいわけではない。
化石燃料の使用量をできるだけ減らしていくことにも賛成
また、化石燃料の使用量を減らしていくことにも賛成。
なぜなら、ひとつは、「地下で採掘したものを地上で燃やして大気に入れる」という発想に抵抗を感じること。汚染物質が含まれていることもある。
もうひとつは、日本は石油や天然ガスがあまり出ない。石油は国内需要の約0.3% 分、天然ガスも約2.3%分は出ているが、国内の使用量に全然足りていない。輸入に頼るしかないため、なるべく化石燃料の使用量を減らしていくのは、そういう観点ではよいこと。
しかし、現在のCO2削減の施策は間違えている
しかし、「現在は気候変動や温暖化で非常に危機的な状況なので、CO2をどこどこまで減らすために、化石燃料の使用量をとにかく劇的に削減していきましょう」という論理は、人々の福祉に大きな弊害をもたらすものであり、間違えている。
昨日の伊藤議員が言っていたように、インフルエンザワクチンの問題とまったく同じ構造。特定の人々の利益が優先されるような仕組みの中でつくられている、と感じるところがある。