安竹洋平の一般質問
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diff --git a/build/ippan-situmon/r1d/12gatu/furusato-nouzei-kakuju/index.html b/build/ippan-situmon/r1d/12gatu/furusato-nouzei-kakuju/index.html
index d80bb1e9..ed310fe5 100644
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+++ b/build/ippan-situmon/r1d/12gatu/furusato-nouzei-kakuju/index.html
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- 経済の血液であるお金が循環する。応援したい団体などにお金が回ることで自らの理想実現にもつながる
- 執着心をなくすことにつながる -
- ◯◯公園のベンチに使いました
- ◯◯公園のあずまやに使いました
- ◯◯という樹木を植えました -
(1)ふるさと納税の健全な活用と、指定寄附制度の拡充で市民参加の推進を
@@ -24,9 +24,9 @@小平市はふるさと納税制度を活用せず、そのため市税の流出額は平成30年度までの累計で約6億円に上り、年々流出額は約1億円ずつ増加しています。にもかかわらず「他市の財源を奪う」ため制度を活用しないとしており、その姿勢には大きな問題があります。制度本来の趣旨で活用すれば、よいことばかりなはず。実は流出額の4分の3が交付税として戻されることなど重要な情報も得ました。なおさら活用すべきです。また、上水南町の旧佐川邸公園にもふるさと納税が活用できるような仕組みを設けるよう訴えました。
ここでの答弁も参考になり、旧佐川邸公園の整備にふるさと納税が活用されるという画期的な結末へ進んでいきます😁。
旧佐川邸公園の画期的な整備についての経緯はこちらにまとめています。
質問 | 答弁概要(クリックで詳細) |
---|---|
ふるさと納税の大幅流出と増大をどう捉えている? | 市の財政に大きく影響する |
対策は? | 市報や財政白書で、市の歳入が減少していることを伝えている |
市民全員がふるさと納税を最大限使った場合、流出額想定は? | 約28億円 |
東京都知事を通じて要請している具体的内容は? | 制度見直しを行うよう国へ働きかけ |
地方交付税の交付団体にはふるさと納税流出額の4分の3が戻る? | そのとおり |
市民が市にふるさと納税しても交付税で4分の3戻るか? | 戻る、トータルプラスか |
寄附金使途の限定指定が可能な仕組みの導入を? | 管理上の課題が多く難しい |
旧佐川邸公園整備のためふるさと納税制度整備を? | 条件つきなので扱いしない |
質問 | 答弁概要(クリックで詳細) |
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① ふるさと納税の大幅な損失とその増大をどう捉え対策している? | 市の財政に大きく影響する。市報や財政白書で、市の歳入が減少していることを伝えている。 |
② 都市長会で制度変更を要望している内容は? | 制度見直しを行うよう国へ働きかけ。 |
③ ふるさと納税について詳しく教えて? | (詳細はこちら) |
市民全員がふるさと納税を最大限使った場合の流出額は? | 約28億円。 |
交付団体には流出分の4分の3が交付税で戻る? | そのとおり。 |
市民が自市にふるさと納税するとどうなる? | 交付税で戻る。トータルプラスか。 |
であれば不交付団体の間は積極的に活用すべき制度では? | 今住んでいないところのまちづくりに使う趣旨の制度。推奨は難しいが、寄附してもらえればありがたい。 |
企画政策部長のアイデアを東京市長会等で訴え、実現しては? | 全国的な中でみると、完全になしにするわけにはいかないとも思う。 |
④ 寄附の使途は7つの基金以外にある? | 7つの基金から選択してもらう。カバーできていないのは学校。 |
⑤ 使途を限定し寄附しやすくしては? | 管理上の課題が多く難しい。 |
寄附金の使途をもっと細かく丁寧に示しては? | 慎重な判断が必要。 |
⑥ 旧佐川邸公園はふるさと納税活用の絶好の機会、寄附を受け入れる制度整備をしてほしいが? | ふるさと納税制度は使わない。 |
用途を限定して多額の寄附を受け入れる考えはある? | 研究する意味はあると考える。 |
通告書
- +主な質疑
正確な質疑内容は会議録をご参照ください。
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日本は寄附文化が育っていない
内閣府の「共助社会づくり推進のための関係府省連絡会議」でもふるさと納税が「寄附文化の醸成に係る施策」として取り上げられている。
『寄付白書』によれば、平成28年時点で日本人の個人寄附の総額は約7,800億円。ここからふるさと納税で約2,500億円増えているので、平成30年度時点では総額約1兆円ぐらい。名目GDPの約0.18%となる。
寄附大国のアメリカでは平成28年度の寄附総額は約30兆6,700億円。金額で日本の約40倍、名目GDP比で約10倍。また韓国は約6,700億円。金額は日本と比べて少ないが名目GDP比では約4倍もある。
つまり日本はまだまだ寄附に関して遅れている。もしくは寄附文化が醸成され、拡大する余地がある。
寄附文化が広まれば暮らしやすく
寄附文化が広がるのはよいこと。私は寄附には主に次の2つよい点があり、みんなが暮らしやすくなると思う。
ふるさと納税は活用の仕方次第で画期的な制度にもなる。市はお金が出ていく状況を傍観しているだけではなく、発想を転換して制度を活用し、よりよい社会づくりに貢献してほしい。
①ふるさと納税の大幅な損失とその増大をどう捉え対策しているか?
ふるさと納税の大幅なマイナス収支(損失)とその増大を市はどう捉え、対策しているか。
ふるさと納税によって減収した市民税は、本来、小平市民のために活用される財源。市民税の減収が大きくなることは市の財政に大きく影響する。市としては機会を捉えて東京都市長会を通じ、東京都とともに国へふるさと納税制度の見直しを要請するとともに、市外へのふるさと納税の抑制のために、市報や財政白書においてふるさと納税によって市が提供するサービスに使われる歳入が減少していることを伝えている。
市も問題意識はある。ただ対応は消極的。市報の欄外に小さく「ふるさと納税で市の歳入2億7,090万円が失われました」と書いてある。しかし市民が見ても「何のこっちゃ?」と伝わらないのでは。
財政白書には1ページ半ぐらい書かれているが、現状説明されているだけ。読んだ人の中には「小平市の財政は大変だな、他市にふるさと納税するのをやめようか🤔」と思う人もいるかもしれないが、一方で「ふるさと納税みんなやっているんだ、私もやってみよう😀」と思う人もいるかも。
はっきり言えるのは平成29年12月発行の財政白書に「小平市からお金が流出している」と注意書きされているのに、平成30年度に流出額が前年度と比べて非常に増えている。そこまでの抑止効果はなかったということ。
②都市長会で制度変更を要望している内容は?
本年5月臨時会の答弁で、東京都市長会として東京都知事を通じて制度の変更について要請をしているとあるが、この具体的内容は。
ふるさと納税制度においては返礼品目当ての寄附が横行し本来の趣旨から逸脱していること、応益負担の原則が阻害されていることなどの多くの問題を抱えていることから、寄附制度の本来の趣旨へ立ち返ることに加えて真の地方分権を推進するために、税控除の対象を住民税から所得税へ変更することも含め、本制度の見直しを行うよう国への働きかけを要請し続けている。
要は税控除の対象を「市税に係る住民税」から「国税に係る所得税」のほうに移してほしい、ということかと思う。これに対し国の反応は。
国から直接回答はない。我々は制度のゆがみがあると思っている。今後も国に訴えかけていく。
③ふるさと納税について詳しく
控除額と上限額について
ふるさと納税は複雑な仕組みなので教えてもらいたい。まず、ふるさと納税すると、その額から2,000円を除いた分について、所得税と住民税が一定限度まで控除される。所得税の控除額は所得税率で計算され、住民税の控除額は基本分と特例分の2つに分かれいて、基本分は住民税率の10%で計算され、特例分のほうは住民税の所得割額の20%を限度として控除される。
控除のほとんどが住民税から。所得税は総所得金額等の40%が上限で、住民税の基本分については総所得金額の30%が上限。
具体的な数字でいうと、たとえば課税所得が300万円の人がいて住民税約24万円だったとする。その人がふるさと納税で控除可能になるのは、約6万円。つまり41万円のうち6万円なので、支払う税の約15%まではふるさと納税で使えることになる。
(議会で述べた金額を一部修正しました)。
🧮 ふるさと納税の控除額と上限額の計算
総務省ホームページに次のように説明されています。
全額控除となるふるさと納税額の上限は、上図にあるように「住民税特例控除の上限額が住民税所得割額の20%」という関係から求まります。
つまり寄附金の上限額(全額控除となる額の上限額)を U とすると
(U - 2千円) x (90% - 所得税の税率 x 1.021) = 住民税所得割額 x 20%
となり、式を変形すると、次のようになります。
U = 住民税所得割額 x 20% ÷ (90% - 所得税の税率 x 1.021) + 2千円
たとえば所得税の課税所得が300万円で住民税所得割額が約24万円とすると、所得税率は10%なので
U = 24万円 x 20% ÷ (90% - 10% x 1.021) + 2千円 = 約6万円
よって約6万円が全額控除されるふるさと納税の上限額になります。
次のサイトに分かりやすく解説されています。
支払う税金の全額をふるさと納税で置き換えできるわけではなく、所得に応じて最大で10%から20%ぐらいまでが置き換え可能かと思う。
今述べた6万円のうち課税所得300万円の人は所得税率が10%なので、所得税分として6,000円、残り5万円強が住民税から控除される。ざっくりとこのような理解でよいか。
ご披瀝のように、3種の計算方法を組み合わせ、最終的に税額控除額を求める仕組み。基本的に住民税所得割額の2割を目安としてと案内している。
🤔 目安として「住民税所得割額の2割」は、少ないのでは?
細かいことですが、和光市:ふるさと納税の上限額の計算方法にある図からすると、上限が2割と案内するのは少し少ないように思います。2.5割から3割では。
たしかに住民税から控除される割合が大きいので、東京都市長会を通じて出している要望は有効な手だてと思う。
市民がふるさと納税制度を最大限活用した場合、市税に対する最大限のダメージは10%から15%ぐらいかと思う。たとえば平成30年度の市税収入は165億円なので、15%は約25億円。
市民全員がふるさと納税を最大限使った場合、流出額はどれくらいになるか?
小平市の市民全員がふるさと納税を最大限使った場合、流出額はどれくらいになるか。
平成30年度決算の場合、現年課税の調定額をベースにすると、対象となるのは市民税の中でも所得割部分。平成30年度の現年課税で所得割の調定額が約136億円、先ほど述べたように全体の2割が目安になるので、約28億円程度の影響と捉えている。
28億円も損失が出たら大変な話。
交付団体にはふるさと納税流出分の4分の3が交付税で返る
一方で明るい話を聞いている。小平市のような交付団体には、ふるさと納税で流出した分の4分の3が交付税として返ってくると。ただし不交付団体には一切返ってこない。この理解でよいか。
そのとおり。最大限28億円であればその4分の3は戻り、交付税という形で市のほうに歳入が増える。しかし残り4分の1の、7億円ほどは完全に市の財源が失われる。
ふるさと納税の悩ましさは、寄附を受けた側の自治体は、もらった寄附金は交付税の収入には算定されない。丸々お得というか、交付税が減るわけでもなく、純粋に増となる。返礼品競争に走って何とか確保しようということで、過激な形になってきているのではと考えている。
たしかに7億円も出ていったら大変。現在ふるさと納税の流出額は2億7,000万円なので、約7,000万円が正味で出ていくことになる。7,000万円あれば、たとえば保育園の使用済み紙おむつを全部保育園で処分するなど簡単なこと。5年分ぐらいはそれで賄える。
さらに不交付団体になると2億円も返ってこない。すべて損失になる。何か対策をしなければいけない。
小平市民が小平市にふるさと納税するとどうなる?
小平市民が小平市にふるさと納税した場合も交付税で4分の3返ってくる計算に含まれるのか。
まず自分が住む市にふるさと納税で寄附する場合、返礼品つきの寄附はだめ。返礼品なしで、ふるさと納税を使って市に寄附はできる。市としては寄附金としてもらうが、逆に税収は減る。減った部分は交付税で措置される。トータルで見るとプラスになる可能性がある。
私も今回初めて聞く話。寄附した人がその使途を決めてしまうと「市として本当はここに使いたかった」財源を減らすことになるから、市はふるさと納税等の活用に消極的だったのではと思っていた。
しかし小平市民が小平市にふるさと納税しても、交付税の関係で市税にはプラスになる。ポジティブな影響がある。だとすればますます小平市が交付税の交付団体である間はこの制度を積極的に活用しない手はないと思うがどうか。
ふるさと納税の趣旨は、今住んでいない、以前育った地域、そういったところのまちづくりに使ってもらいたいということで設定された寄附制度。市の財源のために、ある意味、操作、入り繰りをするというのは、市として推奨すること自体難しさがある。ただこういう仕組みなので、これに気付かれた方が寄附していただければ、市にとってはありがたい。
市がふるさと納税に消極的と指摘いただいたが、そういうことはなく、市のホームページでも「寄附を心よりお待ちしております」と載せている。これからもPRしていく。
企画政策部長のアイデアを東京市長会等で訴え、実現しては?
意見を交わしているとき、企画政策部長がよいアイデアを主に2つ提示してくれた。
ひとつは「返礼品がつくものを税控除の対象から外す」というもの。実質返礼品をなくすことだが、過当競争がなくなり、本来の趣旨へ沿った形になると思う。一方、返礼品があるからこそ制度が広く知れ渡っている部分もある。
ただ、返礼品がなくなったとしても寄附したいと思う人はいる。返礼品目当てと思われることが嫌で寄附していない人もいるので、このアイデアは有効と思う。
もうひとつは「ふるさと納税として受けたものは交付税の算定に含める」というもの。ふるさと納税はたとえ数百億円受け取ってもその分は交付税の計算に含まれない。過度に集めた交付団体は丸もうけ。ほかの自治体の財源を奪うことになるので、そのアイデアもよいのかなと思う。
東京都市長会等でこれらのアイデアを提案し実現していけばよいと思うが、そのあたりはどう考えるか。
大きな災害があったとき、返礼品など特に求めず、皆さん多額の寄附をその自治体に対してやっている。これはまさに何とか支援したいという思いから出た、本当の寄附だと思う。
本来の寄附文化に立ち返る必要があると思う。アメリカの場合、多分、税額控除がなくても寄附しようという文化があるのではないか。日本の場合、最終的に2,000円の負担で済むということでかなり広がってきた。あとは返礼品がなくても自分が応援したい市に寄附していこうという、ここにつながっていくことが一番望ましいと思っている。
「返礼品がある場合は税額控除から外そう」というのは、東京都や都市部においては多分賛同を得られる。ただ全国的に見ると、返礼品をやることで地場産業が助かっているところもあると思う。地域の活性化にもつながっている。東京都市長会としてどう出すかは、今後また市長会の中での話になるが、全国的な中で見ると、完全にそれをなしにしてくれというわけにはいかないのではと思う。
制度そのもののあり方、今ほとんどが地方税でやりくりする形なっているが、制度を伸ばすためには国税もしっかりそこを支援する仕組みになっていく必要があると思う。財源が足りないことに関しては市同士でやり取りするのではなく、本来国から地方に対して交付税の措置があるので、そちらに持っていくのが、税のあり方、地方財政のあり方としては正しいのではと考えている。
市として損失が出ている状況。東京都市長会で東京の主張として出していくべきではないかと思うので検討していただきたい。
市報に記載したり東京都市長会で訴えたりすることもひとつの手。しかし時間がかかる上に実効性があるのか定かではない。その間にもお金はどんどん流出していくので、実効性のある策が必要。
④寄附の使途は7つの基金以外にある?
小平市へふるさと納税、寄附をする者がその使途を指定する場合、7つの基金から選択する以外の方法は用意されているか。用意されていない場合、その理由は。
現在選定している7つの基金によって市の施策の多くがカバーされており、御寄附の際は、寄附者の御意向に応じて使途が選択できることになっていることから、現在の7つの基金から選択していただくこととしている。
カバーされていないものは。
学校に対する寄附が基金としてない。育英基金はあるが、学資的な部分に限られ、使い道が限定されている。学校の用具に寄附したいときは、やむを得ず「物」として買って寄附というのがある。二の足を踏むおそれがある。今後、教育委員会の考えも聞きながら、必要があれば研究する。
⑤使途を限定し寄附しやすくしては?
7つの基金への寄附がそれぞれ具体的にどう使われるかは不明瞭であり、寄附者が想定した用途に使われない懸念があるという理由から寄附へ踏み切れない事例が実際に存在している。このような機会損失をなくす方法はあるか。またたとえば緑化基金を選択した後、さらに◯◯公園の整備、維持費用に充当するというふうに使途の限定が可能な仕組みとし、余剰が出た場合はその他使途に用いられるような仕組みはどうか、市の見解を伺う。
寄附者からいただいた寄附金がどの事業にいくら充てられたかということを詳細に示すことはできないが、それぞれの基金の目的に沿って活用させていただいていることを説明し、御理解いただけるよう努めていく。また、個別の事業に充てることを条件とした寄附を受けることについては、基金を管理する上で事務が複雑になるなど、課題が多いことから難しいものと考えている。
NPOに寄附すると多くの団体は詳細なレポートを定期的に送ってくれる。逆に何をしているかわからないNPOには寄附しようと思えない。使途については可能な限り細かく示していただきたい。
たとえば、市のサイトで緑化基金の使い道を見ると「生け垣設置補助事業」などと書いてあるだけ。これを見て緑化基金に寄附しようとする人がいるのかなと。
もっと寄附する人の立場に立って、たとえば、いただいた寄附を、
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ふるさと納税は活用の仕方次第で画期的な制度にもなる。市はお金が出ていく状況を傍観しているだけではなく、発想を転換して制度を活用し、よりよい社会づくりに貢献してほしい。
① ふるさと納税の大幅な損失とその増大をどう捉え対策している?
ふるさと納税の大幅なマイナス収支(損失)とその増大を市はどう捉え、対策しているか。
ふるさと納税によって減収した市民税は、本来、小平市民のために活用される財源。市民税の減収が大きくなることは市の財政に大きく影響する。市としては機会を捉えて東京都市長会を通じ、東京都とともに国へふるさと納税制度の見直しを要請するとともに、市外へのふるさと納税の抑制のために、市報や財政白書においてふるさと納税によって市が提供するサービスに使われる歳入が減少していることを伝えている。
市も問題意識はある。ただ対応は消極的。市報の欄外に小さく「ふるさと納税で市の歳入2億7,090万円が失われました」と書いてある。しかし市民が見ても「何のこっちゃ?」と伝わらないのでは。
財政白書には1ページ半ぐらい書かれているが、現状説明されているだけ。読んだ人の中には「小平市の財政は大変だな、他市にふるさと納税するのをやめようか🤔」と思う人もいるかもしれないが、一方で「ふるさと納税みんなやっているんだ、私もやってみよう😀」と思う人もいるかも。
はっきり言えるのは平成29年12月発行の財政白書に「小平市からお金が流出している」と注意書きされているのに、平成30年度に流出額が前年度と比べて非常に増えている。そこまでの抑止効果はなかったということ。
② 都市長会で制度変更を要望している内容は?
本年5月臨時会の答弁で、東京都市長会として東京都知事を通じて制度の変更について要請をしているとあるが、この具体的内容は。
ふるさと納税制度においては返礼品目当ての寄附が横行し本来の趣旨から逸脱していること、応益負担の原則が阻害されていることなどの多くの問題を抱えていることから、寄附制度の本来の趣旨へ立ち返ることに加えて真の地方分権を推進するために、税控除の対象を住民税から所得税へ変更することも含め、本制度の見直しを行うよう国への働きかけを要請し続けている。
要は税控除の対象を「市税に係る住民税」から「国税に係る所得税」のほうに移してほしい、ということかと思う。これに対し国の反応は。
国から直接回答はない。我々は制度のゆがみがあると思っている。今後も国に訴えかけていく。
③ ふるさと納税について詳しく教えて?
控除額と上限額について
ふるさと納税は複雑な仕組みなので教えてもらいたい。まず、ふるさと納税すると、その額から2,000円を除いた分について、所得税と住民税が一定限度まで控除される。所得税の控除額は所得税率で計算され、住民税の控除額は基本分と特例分の2つに分かれいて、基本分は住民税率の10%で計算され、特例分のほうは住民税の所得割額の20%を限度として控除される。
控除のほとんどが住民税から。所得税は総所得金額等の40%が上限で、住民税の基本分については総所得金額の30%が上限。
具体的な数字でいうと、たとえば課税所得が300万円の人がいて住民税約24万円だったとする。その人がふるさと納税で控除可能になるのは、約6万円。つまり41万円のうち6万円なので、支払う税の約15%まではふるさと納税で使えることになる。
(議会で述べた金額を一部修正しました)。
🧮 ふるさと納税の控除額と上限額の計算
総務省ホームページに次のように説明されています。
全額控除となるふるさと納税額の上限は、上図にあるように「住民税特例控除の上限額が住民税所得割額の20%」という関係から求まります。
つまり寄附金の上限額(全額控除となる額の上限額)を U とすると
(U - 2千円) x (90% - 所得税の税率 x 1.021) = 住民税所得割額 x 20%
となり、式を変形すると、次のようになります。
U = 住民税所得割額 x 20% ÷ (90% - 所得税の税率 x 1.021) + 2千円
たとえば所得税の課税所得が300万円で住民税所得割額が約24万円とすると、所得税率は10%なので
U = 24万円 x 20% ÷ (90% - 10% x 1.021) + 2千円 = 約6万円
よって約6万円が全額控除されるふるさと納税の上限額になります。
次のサイトに分かりやすく解説されています。
支払う税金の全額をふるさと納税で置き換えできるわけではなく、所得に応じて最大で10%から20%ぐらいまでが置き換え可能かと思う。
今述べた6万円のうち課税所得300万円の人は所得税率が10%なので、所得税分として6,000円、残り5万円強が住民税から控除される。ざっくりとこのような理解でよいか。
ご披瀝のように、3種の計算方法を組み合わせ、最終的に税額控除額を求める仕組み。基本的に住民税所得割額の2割を目安としてと案内している。
🤔 目安として「住民税所得割額の2割」は、少ないのでは?
細かいことですが、和光市:ふるさと納税の上限額の計算方法にある図からすると、上限が2割と案内するのは少し少ないように思います。2.5割から3割では。
たしかに住民税から控除される割合が大きいので、東京都市長会を通じて出している要望は有効な手だてと思う。
市民がふるさと納税制度を最大限活用した場合、市税に対する最大限のダメージは10%から15%ぐらいかと思う。たとえば平成30年度の市税収入は165億円なので、15%は約25億円。
市民全員がふるさと納税を最大限使った場合の流出額は?
小平市の市民全員がふるさと納税を最大限使った場合、流出額はどれくらいになるか。
平成30年度決算の場合、現年課税の調定額をベースにすると、対象となるのは市民税の中でも所得割部分。平成30年度の現年課税で所得割の調定額が約136億円、先ほど述べたように全体の2割が目安になるので、約28億円程度の影響と捉えている。
28億円も損失が出たら大変な話。
交付団体には流出分の4分の3が交付税で戻る?
一方で明るい話を聞いている。小平市のような交付団体には、ふるさと納税で流出した分の4分の3が交付税として返ってくると。ただし不交付団体には一切返ってこない。この理解でよいか。
そのとおり。最大限28億円であればその4分の3は戻り、交付税という形で市のほうに歳入が増える。しかし残り4分の1の、7億円ほどは完全に市の財源が失われる。
ふるさと納税の悩ましさは、寄附を受けた側の自治体は、もらった寄附金は交付税の収入には算定されない。丸々お得というか、交付税が減るわけでもなく、純粋に増となる。返礼品競争に走って何とか確保しようということで、過激な形になってきているのではと考えている。
たしかに7億円も出ていったら大変。現在ふるさと納税の流出額は2億7,000万円なので、約7,000万円が正味で出ていくことになる。7,000万円あれば、たとえば保育園の使用済み紙おむつを全部保育園で処分するなど簡単なこと。5年分ぐらいはそれで賄える。
さらに不交付団体になると2億円も返ってこない。すべて損失になる。何か対策をしなければいけない。
市民が自市にふるさと納税するとどうなる?
小平市民が小平市にふるさと納税した場合も交付税で4分の3返ってくる計算に含まれるのか。
まず自分が住む市にふるさと納税で寄附する場合、返礼品つきの寄附はだめ。返礼品なしで、ふるさと納税を使って市に寄附はできる。市としては寄附金としてもらうが、逆に税収は減る。減った部分は交付税で措置される。トータルで見るとプラスになる可能性がある。
私も今回初めて聞く話。寄附した人がその使途を決めてしまうと「市として本当はここに使いたかった」財源を減らすことになるから、市はふるさと納税等の活用に消極的だったのではと思っていた。
であれば不交付団体の間は積極的に活用すべき制度では?
しかし小平市民が小平市にふるさと納税しても、交付税の関係で市税にはプラスになる。ポジティブな影響がある。だとすればますます小平市が交付税の交付団体である間はこの制度を積極的に活用しない手はないと思うがどうか。
ふるさと納税の趣旨は、今住んでいない、以前育った地域、そういったところのまちづくりに使ってもらいたいということで設定された寄附制度。市の財源のために、ある意味、操作、入り繰りをするというのは、市として推奨すること自体難しさがある。ただこういう仕組みなので、これに気付かれた方が寄附していただければ、市にとってはありがたい。
市がふるさと納税に消極的と指摘いただいたが、そういうことはなく、市のホームページでも「寄附を心よりお待ちしております」と載せている。これからもPRしていく。
企画政策部長のアイデアを東京市長会等で訴え、実現しては?
意見を交わしているとき、企画政策部長がよいアイデアを主に2つ提示してくれた。
ひとつは「返礼品がつくものを税控除の対象から外す」というもの。実質返礼品をなくすことだが、過当競争がなくなり、本来の趣旨へ沿った形になると思う。一方、返礼品があるからこそ制度が広く知れ渡っている部分もある。
ただ、返礼品がなくなったとしても寄附したいと思う人はいる。返礼品目当てと思われることが嫌で寄附していない人もいるので、このアイデアは有効と思う。
もうひとつは「ふるさと納税として受けたものは交付税の算定に含める」というもの。ふるさと納税はたとえ数百億円受け取ってもその分は交付税の計算に含まれない。過度に集めた交付団体は丸もうけ。ほかの自治体の財源を奪うことになるので、そのアイデアもよいのかなと思う。
東京都市長会等でこれらのアイデアを提案し実現していけばよいと思うが、そのあたりはどう考えるか。
大きな災害があったとき、返礼品など特に求めず、皆さん多額の寄附をその自治体に対してやっている。これはまさに何とか支援したいという思いから出た、本当の寄附だと思う。
本来の寄附文化に立ち返る必要があると思う。アメリカの場合、多分、税額控除がなくても寄附しようという文化があるのではないか。日本の場合、最終的に2,000円の負担で済むということでかなり広がってきた。あとは返礼品がなくても自分が応援したい市に寄附していこうという、ここにつながっていくことが一番望ましいと思っている。
「返礼品がある場合は税額控除から外そう」というのは、東京都や都市部においては多分賛同を得られる。ただ全国的に見ると、返礼品をやることで地場産業が助かっているところもあると思う。地域の活性化にもつながっている。東京都市長会としてどう出すかは、今後また市長会の中での話になるが、全国的な中で見ると、完全にそれをなしにしてくれというわけにはいかないのではと思う。
制度そのもののあり方、今ほとんどが地方税でやりくりする形なっているが、制度を伸ばすためには国税もしっかりそこを支援する仕組みになっていく必要があると思う。財源が足りないことに関しては市同士でやり取りするのではなく、本来国から地方に対して交付税の措置があるので、そちらに持っていくのが、税のあり方、地方財政のあり方としては正しいのではと考えている。
市として損失が出ている状況。東京都市長会で東京の主張として出していくべきではないかと思うので検討していただきたい。
市報に記載したり東京都市長会で訴えたりすることもひとつの手。しかし時間がかかる上に実効性があるのか定かではない。その間にもお金はどんどん流出していくので、実効性のある策が必要。
④ 寄附の使途は7つの基金以外にある?
小平市へふるさと納税、寄附をする者がその使途を指定する場合、7つの基金から選択する以外の方法は用意されているか。用意されていない場合、その理由は。
現在選定している7つの基金によって市の施策の多くがカバーされており、御寄附の際は、寄附者の御意向に応じて使途が選択できることになっていることから、現在の7つの基金から選択していただくこととしている。
カバーされていないものは。
学校に対する寄附が基金としてない。育英基金はあるが、学資的な部分に限られ、使い道が限定されている。学校の用具に寄附したいときは、やむを得ず「物」として買って寄附というのがある。二の足を踏むおそれがある。今後、教育委員会の考えも聞きながら、必要があれば研究する。
⑤ 使途を限定し寄附しやすくしては?
7つの基金への寄附がそれぞれ具体的にどう使われるかは不明瞭であり、寄附者が想定した用途に使われない懸念があるという理由から寄附へ踏み切れない事例が実際に存在している。このような機会損失をなくす方法はあるか。またたとえば緑化基金を選択した後、さらに◯◯公園の整備、維持費用に充当するというふうに使途の限定が可能な仕組みとし、余剰が出た場合はその他使途に用いられるような仕組みはどうか、市の見解を伺う。
寄附者からいただいた寄附金がどの事業にいくら充てられたかということを詳細に示すことはできないが、それぞれの基金の目的に沿って活用させていただいていることを説明し、御理解いただけるよう努めていく。また、個別の事業に充てることを条件とした寄附を受けることについては、基金を管理する上で事務が複雑になるなど、課題が多いことから難しいものと考えている。
寄附金の使途をもっと細かく丁寧に示しては?
NPOに寄附すると多くの団体は詳細なレポートを定期的に送ってくれる。逆に何をしているかわからないNPOには寄附しようと思えない。使途については可能な限り細かく示していただきたい。
たとえば、市のサイトで緑化基金の使い道を見ると「生け垣設置補助事業」などと書いてあるだけ。これを見て緑化基金に寄附しようとする人がいるのかなと。
もっと寄附する人の立場に立って、たとえば、いただいた寄附を、
というふうに記載したほうが、たとえばその公園でデートした、家族でよくピクニックした、昔よく使ったなど思い入れのある人たちは「私も寄附してみようかな」となるのではと思う。
ほかにもたとえばディスレクシアという文字の読み書き学習の困難な子どもたちがいて、その子たちが学校で勉強に使えるようなタブレットを用意してほしいという要望があるが、なかなか市のほうとして予算がつかない。
それを、本来は市がやることだが、たとえばふるさと納税を活用して賄った場合、そのようにして賄いましたとか。
もしくは、保育園が使用済み紙おむつを一括処分することになった際には、一時的におむつを保管しておくごみ箱を、寄附によって用意できましたとか。学校に◯◯というすごくよい楽器を購入しましたとか。
寄附の用途が詳細に示されているだけで、自分の寄附したお金が何に使われどう貢献しているのかが分かりやすく実感できるので、寄附も集まると思う。
寄附制度の活性化を目指し、使途をもっと細かく丁寧に示してほしいという点についてはどうか。
どこまで詳細なものを希望されるかもあると思う。多くの方が寄附され、いろんな事業に充ててほしいと言われたとき、ここには何万円充てました、こっちには何万円充てましたと。その年、充て切れなかったものは、その後も管理して、翌々年にいくら充てましたと。できる年もあると思うが、それを継続的にやっていくことを考えると、慎重に判断する必要がある。
慎重に判断し、検討して導入していただきたい。
寄附金額が少額だと、管理コストのほうがかかる場合もあるのでよく考えたほうがよいが、結局は費用対効果。寄附してもらえる額がそれら事務の複雑化によるデメリットを十分に補えるほど大きいと見込める場合は、受け入れたほうがよい。
この質問をした背景には「個別の事業に寄附したい」という要望が最近、実際にあったから。
⑥旧佐川邸公園はふるさと納税が活用できる絶好の機会、寄附を受け入れるための制度整備を
旧佐川邸公園について
上水南町の旧佐川邸公園の件。ここは合気道の先生だった佐川幸義氏の道場があった場所で、ご本人がお亡くなりになった後、ご家族から寄附された土地。
市としては、この寄附された土地の一部を売却して、新しくできる公園の整備に使いたいと考えている。
一方、周辺住民や道場に通われていた門下生の方々は、土地を売らなくても整備できるのではと今の段階では考えている。
つまり、整備コストを精査して削減したり、もしくは資金を募ったりすることで、土地を売らなくても何とか間に合うのではないかと思っている。
年間800万円程度寄附が見込める
その門下生の方々というのは全国に大勢いらっしゃり、公園整備のための資金を出してくれないかと呼びかけたところ、毎年800万円程度は寄附が見込めるという話。ただそれは条件がついていて、ふるさと納税等の税控除が使え、その公園の整備に使うと用途が限定されている、そういう条件がついていれば集まりますよということ。
このように多額の寄附金が見込める状況にあるなら、受け入れればよいのでは。単純にそういう環境を整えてあげればよいと思う。
佐川道場は心のふるさと
佐川氏に関して書かれた複数の書籍があり、それを読めば分かるが、門下生の方々にとって、この道場は言ってみれば心のふるさと。
だからこそ御本人が亡くなってもなおたくさんのエネルギーと皆さんお忙しいのに時間をかけ、生まれ故郷でもない遠い小平市にやってきて、公園の整備の話にせっせと参加している。
ふるさと納税本来の趣旨にふさわしい
そういう思いが詰まった貴重なお金をいただき、道場の跡地を整備をするというのは、ふるさと納税本来の趣旨そのものだと思う。
年間800万円は、事務が複雑になるコストをかけてもよい金額。
旧佐川邸公園の話は、私が市議会議員になってからまだ数か月くらいのときに、たまたまご縁があって参加した会で出会った話。確率的に考えると、ほかにもこのようなケース、小平市を心のふるさととして感じていたり「きっかけがあったら寄附をしてもよいな」と考えたりしている方がたくさんいらっしゃるのでは。
旧佐川邸公園へのふるさと納税活用のため制度整備を
こういった寄附を受け入れるための制度整備をしてほしいが、どうか。
いただいた寄附は最大限活用したいと思っている。コストがかからないのは寄附者の意向にも沿う形。
上水南町の寄附物件は、ちょっと特殊な事例。これは負担つき寄附ではないということで、公園にしてほしいという希望はあった。なので、必ずしも全部公園にする必要はない寄附。
亡くなられたのは武道家ではなく、武道家だった方の息子さんが亡くなっている。その方は特にそういった門下に入って何かやっていた方ではない。高齢になった息子さんが亡くなられ、小平市に寄附をしたいということで、遺言執行書によって寄附を受けたもの。
今回、門下生の方が寄附したいとは伺っているが、寄附する代わりに土地を売るのをやめてほしいという、市に対する行為の制限を加えようという寄附だった。
そうすると我々としては、亡くなられた遺贈者の希望をかなえるため市の負担なしで土地を売却してもかまわないということで、これは弁護士にも確認している。売却することでその希望をかなえていく、これが遺言書の中身に沿った取り組みであろうということでやってきた。
なので、その方々は寄附をされるけれども、丸々寄附ということでなくその代わり市の収入がなくなるということになる。市にとっては財源的にもし寄附額が集まらなければこれは逆に負担が増えるということになるので今回はそういった扱いをしていない。
先ほど来あるとおり、ふるさと納税でやると、結局ほかの市の負担に回っていく。寄附者の方は、そういう負担をかけないで整備してもらいたいという意向があるので、今回そういう制度はとらず、土地を売却してやっていこうということで考えている。
今回のことについてはいろいろ条件があってということだが、もしそういう前提条件がなければ、多額の寄附をしたいという要望があったら、用途を限定して多額の寄附を受け入れるという考えはあるか。
それは特に負担をつけるようなものではなく、将来たとえば大きな公園を整備する際、遊具に使ってほしいとかそういったものであれば、場合によっては今後大規模な事業が待っているとき、特別にもうひとつ基金等をつくってやっていくというのは、今後研究する意味はあると考えている。
ぜひそれをやってほしい。もしそういう制度ができたら明示しないと意味がない。
毎年、巨額の損失が出ていて、実効性のある対策がとれていない状態。早急に手を打ってほしい。制度を整えれば現状でも多額の寄附を得られる可能性が高いのに、制度が整っていないために機会損失が生じている。
大口の寄附が見込めるものに限ってもよいと思うが、使途の限定といった寄附制度の拡充と、寄附金の使い道の詳細を、見た人が寄附したくなるような形で情報提供してほしい。
以上
というふうに記載したほうが、たとえばその公園でデートした、家族でよくピクニックした、昔よく使ったなど思い入れのある人たちは「私も寄附してみようかな」となるのではと思う。
ほかにもたとえばディスレクシアという文字の読み書き学習の困難な子どもたちがいて、その子たちが学校で勉強に使えるようなタブレットを用意してほしいという要望があるが、なかなか市のほうとして予算がつかない。
それを、本来は市がやることだが、たとえばふるさと納税を活用して賄った場合、そのようにして賄いましたとか。
もしくは、保育園が使用済み紙おむつを一括処分することになった際には、一時的におむつを保管しておくごみ箱を、寄附によって用意できましたとか。学校に◯◯というすごくよい楽器を購入しましたとか。
寄附の用途が詳細に示されているだけで、自分の寄附したお金が何に使われどう貢献しているのかが分かりやすく実感できるので、寄附も集まると思う。
寄附制度の活性化を目指し、使途をもっと細かく丁寧に示してほしいという点についてはどうか。
どこまで詳細なものを希望されるかもあると思う。多くの方が寄附され、いろんな事業に充ててほしいと言われたとき、ここには何万円充てました、こっちには何万円充てましたと。その年、充て切れなかったものは、その後も管理して、翌々年にいくら充てましたと。できる年もあると思うが、それを継続的にやっていくことを考えると、慎重に判断する必要がある。
慎重に判断し、検討して導入していただきたい。
寄附金額が少額だと、管理コストのほうがかかる場合もあるのでよく考えたほうがよいが、結局は費用対効果。寄附してもらえる額がそれら事務の複雑化によるデメリットを十分に補えるほど大きいと見込める場合は、受け入れたほうがよい。
この質問をした背景には「個別の事業に寄附したい」という要望が最近、実際にあったから。
⑥ 旧佐川邸公園はふるさと納税活用の絶好の機会、寄附を受け入れる制度整備をしてほしいが?
旧佐川邸公園について
上水南町の旧佐川邸公園の件。ここは合気道の先生だった佐川幸義氏の道場があった場所で、ご本人がお亡くなりになった後、ご家族から寄附された土地。
市としては、この寄附された土地の一部を売却して、新しくできる公園の整備に使いたいと考えている。
一方、周辺住民や道場に通われていた門下生の方々は、土地を売らなくても整備できるのではと今の段階では考えている。
つまり、整備コストを精査して削減したり、もしくは資金を募ったりすることで、土地を売らなくても何とか間に合うのではないかと思っている。
年間800万円程度寄附が見込める
その門下生の方々というのは全国に大勢いらっしゃり、公園整備のための資金を出してくれないかと呼びかけたところ、毎年800万円程度は寄附が見込めるという話。ただそれは条件がついていて、ふるさと納税等の税控除が使え、その公園の整備に使うと用途が限定されている、そういう条件がついていれば集まりますよということ。
このように多額の寄附金が見込める状況にあるなら、受け入れればよいのでは。単純にそういう環境を整えてあげればよいと思う。
佐川道場は心のふるさと
佐川氏に関して書かれた複数の書籍があり、それを読めば分かるが、門下生の方々にとって、この道場は言ってみれば心のふるさと。
だからこそ御本人が亡くなってもなおたくさんのエネルギーと皆さんお忙しいのに時間をかけ、生まれ故郷でもない遠い小平市にやってきて、公園の整備の話にせっせと参加している。
ふるさと納税本来の趣旨にふさわしい
そういう思いが詰まった貴重なお金をいただき、道場の跡地を整備をするというのは、ふるさと納税本来の趣旨そのものだと思う。
年間800万円は、事務が複雑になるコストをかけてもよい金額。
旧佐川邸公園の話は、私が市議会議員になってからまだ数か月くらいのときに、たまたまご縁があって参加した会で出会った話。確率的に考えると、ほかにもこのようなケース、小平市を心のふるさととして感じていたり「きっかけがあったら寄附をしてもよいな」と考えたりしている方がたくさんいらっしゃるのでは。
旧佐川邸公園へのふるさと納税活用のため制度整備を
こういった寄附を受け入れるための制度整備をしてほしいが、どうか。
いただいた寄附は最大限活用したいと思っている。コストがかからないのは寄附者の意向にも沿う形。
上水南町の寄附物件は、ちょっと特殊な事例。これは負担つき寄附ではないということで、公園にしてほしいという希望はあった。なので、必ずしも全部公園にする必要はない寄附。
亡くなられたのは武道家ではなく、武道家だった方の息子さんが亡くなっている。その方は特にそういった門下に入って何かやっていた方ではない。高齢になった息子さんが亡くなられ、小平市に寄附をしたいということで、遺言執行書によって寄附を受けたもの。
今回、門下生の方が寄附したいとは伺っているが、寄附する代わりに土地を売るのをやめてほしいという、市に対する行為の制限を加えようという寄附だった。
そうすると我々としては、亡くなられた遺贈者の希望をかなえるため市の負担なしで土地を売却してもかまわないということで、これは弁護士にも確認している。売却することでその希望をかなえていく、これが遺言書の中身に沿った取り組みであろうということでやってきた。
なので、その方々は寄附をされるけれども、丸々寄附ということでなくその代わり市の収入がなくなるということになる。市にとっては財源的にもし寄附額が集まらなければこれは逆に負担が増えるということになるので今回はそういった扱いをしていない。
先ほど来あるとおり、ふるさと納税でやると、結局ほかの市の負担に回っていく。寄附者の方は、そういう負担をかけないで整備してもらいたいという意向があるので、今回そういう制度はとらず、土地を売却してやっていこうということで考えている。
用途を限定して多額の寄附を受け入れる考えはある?
今回のことについてはいろいろ条件があってということだが、もしそういう前提条件がなければ、多額の寄附をしたいという要望があったら、用途を限定して多額の寄附を受け入れるという考えはあるか。
それは特に負担をつけるようなものではなく、将来たとえば大きな公園を整備する際、遊具に使ってほしいとかそういったものであれば、場合によっては今後大規模な事業が待っているとき、特別にもうひとつ基金等をつくってやっていくというのは、今後研究する意味はあると考えている。
ぜひそれをやってほしい。もしそういう制度ができたら明示しないと意味がない。
毎年、巨額の損失が出ていて、実効性のある対策がとれていない状態。早急に手を打ってほしい。制度を整えれば現状でも多額の寄附を得られる可能性が高いのに、制度が整っていないために機会損失が生じている。
大口の寄附が見込めるものに限ってもよいと思うが、使途の限定といった寄附制度の拡充と、寄附金の使い道の詳細を、見た人が寄附したくなるような形で情報提供してほしい。
以上