(2)巨費を投じるごみ処理施設の、より丁寧な情報提供等を
まとめ
令和元年11月29日に行った2件の一般質問のうちの2件目です。
新ごみ処理施設整備・運営事業に20年間で約468億円の投資が行われる。将来世代に渡り高額な負担を強いられる事業であるにもかかわらず、情報があまりにも少ないため、事業の詳細や情報公開の姿勢を問いました。小平・村山・大和衛生組合は独自に議会を持っており、小平市議会議員も派遣されています。「詳細はその組合の議会で質問せよ」という圧力があるのですが、私は参加していないですし、会議録を見ても大した質問がないため、小平市議会で質問せざるを得ません。 小村大の情報公開に対する姿勢は問題と思いますので、今後も追求していきます。
質問 | 答弁概要(クリックで詳細) |
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入札で約468億円の予定価格を事前公表の理由は? | 総合評価一般競争入札で一般的 |
入札予定価格は工事費約293億円+運営費約175億円? | 配分は業者提案による |
約468億円以外に発生する事業費は? | 工事監理業務委託費やその他経費等 |
国からの交付金見込み総額は? | 循環型社会形成推進交付金で約92億円 |
起債額と期間は? | 地方債を約191億円と見込んでおり、償還期間は最大20年間 |
年間維持費は? | 資源物中間処理施設は、土地使用料などを除き、約2.5億円。仮称不燃・粗大ごみ処理施設及び仮称新ごみ焼却施設は今後の入札結果による |
ライフサイクルコストは? | 使用終了までのコストは算出していない |
組合ホームページ掲載の財務書類が非常に少ない? | 窓口閲覧で / 組合に伝える |
小平市もホームページに財務書類が少ない? | 現在未掲載の資料も掲載を進める |
通告書
主な質疑
正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。また、分かりやすくするために、ここではすべて一問一答に見えるよう順番を並べ替えています。実際は、初回質疑は一括質問・一括答弁方式です。
質問する理由
巨額な事業にもかかわらず公開されている情報があまりにも少ない
小平・村山・大和衛生組合(以下、組合と呼ぶ)の仮称新ごみ処理施設整備・運営事業(以下、新ごみ処理施設事業と呼ぶ)については本年10月31日に入札書類の提出が締め切られ、来年1月下旬の開札を予定している。この事業は予定価格が消費税込みで約468億円と巨額。
同様にほかのごみ処理施設に関しても、市民は将来世代にわたって高額な負担を強いられるが、市民がどの程度の金額をどのくらいの期間にわたって負担するのかといった基本的な情報が提示されていない。
より丁寧な情報提供を心がけていただきたく、管理者である市が、次の事項を把握しているか質問する。また、市の情報提供に関しても伺う。
入札は難しいところがあり、事前に価格を公表すると、上に張りつく傾向があると思う。金額が大きいだけに、ちょっとした工夫で数億円から数十億円変わってくることなので、相当慎重に決定していかなければいけない。
①新ごみ処理施設事業の入札で約468億円の予定価格を事前公表している理由は
新ごみ処理施設事業の入札で、約468億円の予定価格を事前公表している理由は。
小平・村山・大和衛生組合からは次の内容を聞いている。
- 新ごみ処理施設事業の事業者選定については、総合評価一般競争入札を採用
- 事業者から、入札書、施設計画図書などの提案書提出を受け、価格と品質を審査し、総合的にすぐれた事業者を選定する
- 予定価格を示さない場合、品質はすぐれていても予定価格を超え、失格となる事態が発生するなど、適正な競争とならない懸念がある
- 総合評価一般競争入札では、予定価格を事前に公表することが一般的と認識している
②予定価格との差し引き175億円が委託約20年間分の運営費か
新ごみ処理施設事業に関して、基本計画では概算として建設工事費が258億円、解体工事費が35億円だ。予定価格との差し引き175億円が、委託約20年間分の運営費と考えてよいか。これ以外に発生する事業費はないか。
小平・村山・大和衛生組合からは次の内容を聞いている。
- 予定価格では、工事費と運営費のそれぞれの上限は設定していない
- そのため、予定価格内での工事費と運営費の割り振りは、業者の提案、入札価格による
- 工事費は、予定価格の算出に当たり、基本計画で概算として示していたものを精査し、見直したもので積算
- 施設の整備に付随して新たに必要となる事業費として、以下が想定されると聞いている
- 整備工事の工事監理業務委託費
- 環境影響評価の事後評価の取りまとめに関する経費
- 新施設での発電に伴って必要となる電気の特別高圧線の引き込みに係る経費
- 施設整備期間中の多摩地域ごみ処理広域支援に係る経費
- そのほか不測の事態が発生した場合の経費等
③組合が担う3つのごみ処理施設事業について費用など詳しく
組合が担う3つのごみ処理施設事業(3市共同資源化事業、仮称不燃・粗大ごみ処理施設事業及び新ごみ処理施設事業)について、以下はそれぞれどうか。
- 国からの交付金見込み総額
- 起債額と償却期間
- 年間維持費用
- ライフサイクルコスト
小平・村山・大和衛生組合から聞いている内容としては、資源物中間処理施設、仮称不燃・粗大ごみ処理施設及び仮称新ごみ焼却施設の3施設の整備について、工事費のほか整備関連経費を一部含めて合計で国からの循環型社会形成推進交付金を約92億円、地方債を約191億円と見込んでおり地方債の償還期間は最大で20年間とのこと。
年間維持費としては、すでに稼働を始めている資源物中間処理施設は、本年度の組合予算では、土地使用料などを除きおおむね2億5,000万円。今後稼働する仮称不燃・粗大ごみ処理施設及び仮称新ごみ焼却施設については令和4年度からは運営を業者に委託することとしており、その経費は現在、業者選定をしている新ごみ処理施設整備・運営事業の入札結果によることとなるとのこと。
ライフサイクルコストについては施設の使用終了までのコストは算出していない。しかし仮称新ごみ処理施設整備・運営事業については、運転に要する消耗品、光熱水費などのほか、通常必要となる補修工事の経費なども運営費に含めて発注していると聞いている。
年間費用が数%変動しただけで市歳出へのインパクトが大きい。財務関係資料をしっかり出して
20年間で起債した分が191億円に上る。1年間で償還だけでも普通に20で割ると10億円近く。それ以外にも、今予想できている運営費だけで年間10億円以上かかる。簡単な計算だけでも20億円ぐらい年間でかかる。数%の変動でも歳出へのインパクトは非常に大きい。そういったところを市民がちゃんとチェックできるよう、財務関係の書類はしっかり出してもらいたい。
④運営事業者を新施設稼働から2年経た後に変更する理由は
仮称不燃・粗大ごみ処理施設事業の運営事業者を新施設稼働から2年経た後に変更する理由は。
小平・村山・大和衛生組合から聞いている内容としては、仮称不燃・粗大ごみ処理施設については、設計、施工に関する稼働後2年間の瑕疵担保期間を設定しているとのこと。その間に施設の安定的な運転をハード面、ソフト面で確保したうえ、その後は、同一敷地内にあり、かつ、ごみ処理の相互の関連が強い新ごみ焼却施設との一体的な運営を委託することとしたためと聞いている。
⑤組合や市のホームページに財務資料の掲載を
組合のホームページに掲載されている財務書類が非常に少ない。小平市もそうだが、一般会計決算附属書類などの財務に関する重要な資料を組合及び市のホームページに掲載していない理由は。
市では市ホームページで、予算書のほか、決算カードや財政状況資料集、小平市財政白書、小平市の財務書類、財政事情についてを掲載し、市の財政状況を公表している。今後は、一般会計決算附属書類など、現在掲載されていない資料についても市ホームページへの掲載を進め、市民の皆様に市の財政状況をわかりやすく伝えられるよう努めていく。
小平・村山・大和衛生組合からは、現在予算、決算について概要を組合ホームページで公開しており、予算書、決算書等はホームページでは掲載していないが御希望の方には組合窓口での閲覧に応じていると聞いている。
より丁寧な情報提供の御要望については、組合に伝えて行く。
市のサイトで一般会計決算附属書類等を今後出していくというが、予算書や決算書も含まれるか。
予算書は令和元年度から予算書そのものがホームページに掲載されている。それより前のは載っていない。来年度以降も、予算書については掲載していきたい。
決算附属書類と決算書は、まだホームページには載せていないが、作業的には可能。順次載せられるよう整えていきたい。
市民から多額を預かっている事業という意識が非常に低い
組合のサイトは、一昔前の個人ホームページのよう。市民から多額のお金を預かり事業を行っている意識が非常に薄い。
予算と決算はA4の紙一枚。普通の会社なら、お金を出す人たちの手元に詳細な情報、財務情報がないと、出資する人はいないだろう。本当に信じられないこと。少なくとも予算、決算の詳細書類と附属書類など、できれば損益計算書や貸借対照表といった財務書類をホームページに掲載してほしい。管理者である市長に伺いたいが、どうか。
予算、決算の資料の情報公開については、私ども構成市においても組合に、わかりやすいものの公開を常に求めている。市からも派遣で何人かの職員が行っているので、そのあたりはよく伝えていきたい。
組合ができて議会があるので、市議会の中ではなかなか質問できないところがある。組合は一般質問の機会がない。すると、派遣されている議員もなかなか、質問しようにも、どの時点で質問したらよいのかわからないところがある。市は管理者なので、そういうところを指摘し、直してもらいたい。
以上