(1)不登校やディスレクシアの子どもたちも活用できるGIGAスクール構想を
~ GIGAスクール構想で最も恩恵を受ける不登校や読み書き困難の子どもたちのために ~
📄会議録を見るまとめ
令和2年6月4日に行った2件の一般質問のうちの1件目です。
GIGAスクール構想が国の方針で急遽進むことになり、全校児童・生徒に一人一台のタブレットを購入する予算がつきました。小平市教育委員会はこれまで教育のICT化に向けた準備を進めてこなかったため、突貫的に利用を開始することとなります。最も恩恵を受ける不登校児や、ディスレクシアの児童・生徒に役立つことを中心に考えた活用を行えば、準備不足の状況であっても有効に利用できると考え、質問を通じて訴えました。
いつもながら、答弁からは、教育委員会の「人的・発想・予算」リソース不足が伺えます。デジタル教科書・教材は、試験的な意味においても早期の導入が望まれます。継続して訴えていきます。
質問 | 答弁 |
---|---|
短期間入札で低性能端末となるリスクは? | 事業者や学校等に聞き仕様等を検討 |
維持管理等の年間費用は? | 保守費、通信回線使用料、ライセンス料等、検討中 |
今後の端末更新時期の費用は? | 国の支援が不明確、リース方式導入も含め検討 |
利用者負担の費用は? | 児童・生徒が家庭等に持ち帰り学習する際の通信費 |
ディスレクシアや不登校の子への活用検討状況は? | 重要と認識、検討を進める |
ディスレクシアや不登校の子の意見反映が不可欠では? | 特支等の教員を通し聞く |
一括DL申請で全児童・生徒がデイジー教科書可にしては? | 積極的活用を 検討 |
個別最適化が、互助の気持ち育成に与える影響は? | 実践例を踏まえ環境を整える |
リモート授業の法的課題と対応は? | 履修や出席の取扱不可、文科省指針等を注視 |
通告書
主な質疑
正確な質疑内容は会議録をご参照ください。
なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。
①質問する理由
GIGAスクール構想はディスレクシアや不登校の子が最大活用できるように
GIGAスクール構想の一環として、5月の一般会計補正予算(第2号)で、小平市立小・中学校児童・生徒に1人1台のタブレット端末購入の予算が決まった。
端末は年度末までに調達予定のため、対応の時間が短い。不備がないよう、特に最も恩恵を受けると思われるディスレクシアや不登校の児童・生徒が最大限活用できる仕組みとなることを強く要望する。
すでに検討は進んでいるものと考え、小平市におけるGIGAスクール構想全般について質問する。
GIGAスクール構想の背景
GIGAスクール構想の背景としては、まず国のほうで「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」が2018年から2022年度まである。2022年度には、3クラスに1クラス分の端末整備や先生に1人1台のPCや端末を整備する計画。
それと並行してGIGAスクール構想というのができた。昨年12月の閣議決定をもとに「令和時代のスタンダードな学校像として全国一斉のICT環境整備が急務」とされ、1人1台端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することを主な目的に、令和元年度の補正予算が1月末に成立した。
この時点では、まだ「令和5年度までに1人1台」とされていたが、その後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響ということで前倒しになった。
- 児童・生徒1人1台端末の整備スケジュールの加速
- 学校現場へのICT技術者の配置の支援
- 在宅オンライン学習に必要な通信環境の整備を図るとともに、在宅でのPC等を用いた問題演習による学習評価が可能なプラットフォームの実現を目指す
今年の4月頭に閣議決定され、4月末に令和2年度の補正予算総額2,292億円が成立。小平市も急遽それに対応し、GIGAスクール構想、1人1台ということをやり始め、5月臨時会の補正予算で計上した。
以上が背景。
今回は導入に向けての話。一度ハードウェアやソフトウェアを決めてしまうと、基本的に5年間使うことになり、なかなか変えることができない。間違いがあったら大変なロスになる。事前に、できる限り、問題点や可能性の検証が必要。
整備まで実質的に今回しか質問の機会がない。ほかの議員からの質問もなかったので、根掘り葉掘り、細々とした質問を行う。
②端末選定等の状況と予定は
端末の選定、ICT環境、運用の検討はどの程度進んでいるか。また、いつまでに整える予定か。
- 現在、情報端末の機種を検討するとともに、高速大容量の校内LAN環境整備を計画
- 情報端末は、契約・調達を本年12月までの予定で進める
- 来年1月からは各学校に配備し、3月には全小・中学校に配備を終える
- 校内LAN環境は、9月に契約、調整を行い、来年2月より工事を始める
共同調達の検討はした?
文部科学省の資料に「調達の際に共同調達をできる限り検討してください」とある。市は、東京都やほかの、例えば広域連携している国分寺市等と共同調達の話はあったか。
4月の中旬ぐらいから、国の動向、都からも強い申入れ等あり、急遽やるということで、大きく方針を変えて実施している。このようなスケジュールの中で検討しなくてはならないため、共同調達の検討は特段行わなかった。
教員用や予備分がないのは?
台数は、ぴったり児童・生徒の人数分、約1万4,000人分と聞いた。なぜ教員の分も発注しないのか。予備の分もない。先進的に独自の財源でしている自治体では、予備分は確保している。市の予算でこういったこともやるべきでは。
臨時休業がもし今後また実施されれば、生徒が全員一斉に端末を使う状況も考えられる。故障も発生する。1万4,000台のうち故障率何%か分からないが、何台かは発生する。どうするのか。不足して再び発注する際には、高い金額で発注せざるを得ない状況もあるのでは。
まずは児童・生徒への端末を確実に届けられる予算のみ取っている。今後の課題として、教員が使用するタブレット、故障等の対応による予備 の機器、保証の関係、積み残した課題がある。これらは今後必要になる認識がある。速やかに対応するよう努める。
OS選定時、デイジー教科書との相性確認は?
OSについて、次の3つから選ぶと聞いた。
- Apple社のiOSやiPadOS
- グーグル社のAndroidとか
- Microsoft社のウィンドウズ
これをどう選ぶのか。
デジタル教科書やディスレクシアの子どもたちが扱いやすいデイジー教科書等で、アプリが特定のOSにしか対応していない状況がある。そのあたりは、OS選択時に考慮されるのか。
それぞれのOSに、特徴、よさ、デメリットがある。こういったことは、事務局や学校から意見を聴取しながら、デイジー教科書の使用状況(のちほど「相性」と訂正)なども踏まえて選定に当たっていきたい。
デイジー教科書の使用状況というが、前回の一般質問でもしたが、読み書き困難の潜在数は小平市立の小・中学校合わせて300人以上いる可能性がある。実際に読み書き困難と判明している生徒は、その中でも一部。