(2)行き場のない子どもたちを見過ごすな
📄会議録を見るまとめ
令和3年6月10日に行った5件の一般質問のうちの2件目です。
ディスレクシアについてまとめた議員レポートを市内に配り歩いています。それをご覧になった保護者の方からご相談をいただき、質問しました。
今回の一般質問で、次のようなことが判明しました。
- 相談の窓口である「就学相談員に相談しづらい問題」は改善してくれる
- 固定級に通っていても、通常学級へ戻ることもできる
- 固定級に通っていても、進路は限られるものではない
- チャレンジ校・エンカレッジ校に通えるのは、不登校児だけではない
- 自閉症・情緒障害特別支援学級の設置は「研究を進める」という答弁
- 動画の配信アイデアには前向き、具体化するには課題の洗い出しが必要
平場でのやり取りでは、職員の方々に前向きさを感じます。しかし、実際に新しいことをするには、いろいろなリソース不足があるようです。自閉症・情緒障害特別支援学級の設置や、動画配信等については、こちらからも、きっかけとなることを提供していきたいと思います。
また、今回、このまとめをつくる過程で、次のことをまとめました。
自閉症・情緒障害特別支援学級については、調べれば調べるほど「小学校と中学校のどちらにも少なくとも1校ずつの設置が必要」という思いが強くなります。継続して市に訴えます。
通告書
主な質疑
正確な質疑内容は会議録をご参照ください。
なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。
①質問する理由
用語について
(なるべく分かりやすくするため、ここでは、慣例的に使用されている用語・略称を一部で用いました。次の表に示すように、別の表記もあります)
ここでの表記 | → | 別の表記 | メモ |
---|---|---|---|
通級 | → | 通室 | 通級には「通級指導学級」と「特別支援教室」 があります(東京都の資料)。 特別支援教室へ通うことを「通室」と表現する こともあります。 |
支援級 | → | 特別支援学級 | |
チャレンジ校 | → | チャレンジ スクール | |
エンカレッジ校 | → | エンカレッジ スクール | |
情緒固定級 | → | 自閉症・情緒障がい 特別支援学級 | 通常学級に在籍しながら通う教室ではなく、 常に通う教室であることから、 特別支援学級のことを「固定級」「固定学級」 とも呼びます。 |
一般質問等でこれまで幾度かテーマとして取り上げる中で、ディスレクシアについての社会的な認知不足を痛感した。そこで、私なりにできることを考え、ディスレクシアの周知と議員活動レポートを兼ねたパンフレットを作成し、市民の方にもご協力いただきながら市内を配り歩いている。これまでに4万部強を配り、ご覧になった複数の保護者からご相談いただいている。
『ディスレクシアまとめサイト』をつくっています。
ご相談いただく中で、現状の学校の仕組みの中では行き場がなく、学校生活が嫌になってしまう子どもが想像以上にいることが分かってきた。主な原因は、学習の機会が極端に限られてしまうこと、周りから正しく理解が得られていないことであり、また、教員との関係が破綻するケースもある。パンフレットをご覧になり、勇気をもって直接ご相談いただくに至る確率を考えれば、私に届く複数の声は氷山の一角だ。誰一人取り残さないという約束もしているのであるから、いますぐに対応が必要な子どもたちの存在を、けっして見過ごすことがあってはならない。
市長は87の政策第40項で「障がいのある子もない子も共に学ぶインクルーシブ教育を推進します」とし、同第41項で「精神疾患の正しい知識や情報について、本人や家族の生きやすさにつながるよう、学校教育の中で伝える場を作ります」としているため、期待を込めて、市の特別支援教育のあり方について問う。
就学相談員の問題について
二度と相談したくなくなる対応だったという声が複数あるが
「二度と相談したくなくなるような対応だった」という声が複数あるが、就学相談員はどういう基準で選定され、具体的に何をするか、またサービス改善の対象ではないのか。
就学相談員は、臨床心理士の資格を有し発達検査の実施および報告書の作成が可能な方、または教育管理職経験者。
主な業務は、幼児、児童・生徒の就学および転学等に関する相談や、就学支援委員会に関わる資料作成等。
就学相談に際しては、児童・生徒の可能性を最大限に伸長する教育の場への就学に向けて、保護者の意見を十分に聞き取れる体制づくりが重要であると認識している。
🤔 就学相談員の任用に関する規則がない?
小平市就学支援委員会設置要綱はあるものの、就学相談員をどう選ぶか、何をするか、を定めた規則が見当たりません。
教育相談員に関してはちゃんと定められています。
他市にも見あたらないので、法で定めがないのかもしれません。のちほど確認します。
🕵 就学相談員が作成する報告書とは
就学相談の進め方とスケジュールについては、次のサイトに資料があります。
就学相談員が、就学支援委員会に相談内容を報告する際、報告書を作成します。その報告書の様式は東京都教育委員会が定めており、次のサイトに資料があります。
込み入った資料ですので、今後、解読して、分かりやすくまとめたいと思います。
通告書に「二度と相談したくなくなるような」と書くか迷った。しかし、複数の方から、怒りにも、恨みにも似た声があったので書いた。
入学の際などは、就学・転学相談を受けなければならない。しかし、相談員にやる気を感じられず、本当にここに相談してよいのか、という声をいただいている。
そういった声は把握しているか。
これまでそういった声があることは把握していなかった。すぐに改善すべきものだと考える。
ここは相談の入り口。保護者の方は次のようなことが気になるため、なかなか問題を指摘できないところがある。
- 担任の先生に相談すると、先生の負担になってしまうのではないか
- 子どもに不利なことになるのではないか
ぜひそういったこと(保護者の立場)にも配慮してほしい。
👍 電話対応はすぐに改善してくれたようです
その後、就学相談に電話された保護者の方は「対応がよくなった」と感じられたそうです。すぐに対応してくれたのであれば、ありがたいです。
この問題は、どうも「就学相談員の担い手が少ない」という事情も影響しているようです。教職員の再任用が広がり、退職年齢になっても学校に残る先生が多いため、就学相談のなり手が少ない、といったことです。
いずれにしろ、「相談員の対応が悪い」などは、保護者から声を上げにくいことです。教育委員会は「どんな相談であっても子どもを不利に扱うようなことは一切ない」としていますが、もし担任の先生や教育委員会に直接伝えられないようなことがありましたら、安竹までご相談ください。発信元が分からないような方法で、市に伝えていきます。
医師診察記録を出せる医師を把握し、紹介できているか
市は、特別支援教室(以下、通級と呼ぶ)申し込みの際に必要な「医師診察記録」の作成が可能な医療機関や医師を、児童・生徒の状況に応じて適切に把握し、紹介できているか。
必要に応じて嘱託医または近隣の外部医療機関を紹介している。
学習障害の方も同じか。
学習障害者についても同様。
特に学習障害の場合、医療機関や専門医が少なく、医師診察記録がなかなか取れないという声もある。そのために通級の申込みができない人がいるかもしれない。そういったところの制度に余裕を設けたほうがよいと思うが、どうか。
たしかに専門的な医師は多くないが、たとえばST(言語聴覚士)の助力をいただくなど工夫の余地はあると思うので研究していく。