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(2)疑問だらけのいじめ重大事態調査報告書が公表されたが

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まとめ

令和6年6月6日に行った4件の一般質問のうちの2件目です。

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質問答弁概要(クリックで詳細)

通告書

主な質疑

以下の質疑は要約です

正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。また、分かりやすくするために、ここではすべて一問一答に見えるよう順番を並べ替えています。実際は、初回質疑は一括質問・一括答弁方式です。

質問する理由

先日5月13日、小平市立学校のいじめ申立てに関する調査報告書 (以下、当報告書と呼ぶ)が市ホームページで公表された。内容はいじめ重大事態の調査報告書だ。

当報告書に関して多くの疑問があるため、以下質問する。

① 6か月間の調査とは?なぜ説明がない?

当報告書の「調査に至った経緯」をまとめると、

事案発生当時に学校は当該事案をいじめと認識しておらず、当該生徒・保護者からもその訴えがなかったが、その後代理人弁護士から通知が届いたため重大事態と認知した。

と理解できる。

しかし調査の概要には「重大事態の認知より前に、約6か月間、学校が調査した」と書いてある。

いじめの認知もされていない中で、学校は6か月間も何を調査していたのか。また、なぜその重要な経緯について、何も書かれていないのか。

事案発生当時、学校は当該事案をいじめではなく事故として認知していたため、まずいじめの事実の有無について調査をしもの。

その経緯については、調査報告書の「調査に至った経緯」に記載されていると捉えている。

第三者委員会の適性を疑わざるを得ない

なぜこんな重要なことを記載していないのかと思う。

この報告書を見ても、最初事故と認識していて、約6ヶ月間学校が調査したとしか書かれていない。この報告書を読んでも、これがいじめの調査だったのかまったくわからない。

何度も言っているが、第三者委員会の適正を疑わざるを得ない。

後の質問で、現在いじめ重大事態の対応中が4件と答弁した。それらについての調査報告書もきちんと書いてもらうために、すぐにでも第三者委員会を見直していただきたい。

少なくとも今回の指摘を伝えてくれるか?

少なくとも今回の、第三者委員会で作ったこの報告書は読んでもわからなかったという指摘を、第三者委員会に伝えてもらえるか。

報告書は再発防止や同種の事案を防ぐことを目的につくっている。

この事案のことを深く理解いただいていない方が見たときには、詳細までわかりづらい部分もあるかもしれない。

ただ、個人情報保護、事案特定につながらないなどという個別の配慮の上なので、理解いただきたい。

呆れすぎて言葉が出ないのですが

これで再発防止や同種の事案を防げるわけがないですよね…。

② なぜ弁護士から通知が届いた日付を墨塗りしている?

個人特定につながる恐れのない「代理人弁護士から重大事態である旨の通知が届いた日付」を墨塗りしている理由は何か。またこの墨塗りは保護者の要望か。

この日付が隠されていることから、学校や市教育委員会の不適切な対応が隠ぺいされているのではないかという疑いも出てくる。

なぜなら、国の「いじめの防止等のための基本的な方針」では、学校は重大事態が発生した場合、ただちに教育委員会へ報告するとされている。

対応を怠ったため、重大事態の通知が届いた日付を隠したのではないか。もし仮にそうなら、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会も隠ぺいに手を貸したこととなり、重大な問題だ。

墨塗りした理由を「個人特定につながる恐れのため」というなら、上記の隠ぺい目的ではないと理解できるよう、その根拠を具体的に説明願う。

通知が届いた日付を公表することにより、いじめの発生時期が推測され、個人を特定される恐れがあるためであり、保護者の要望によるものではない。

なお、学校はいじめ重大事態の申し立てを受け、事実の有無を調査し、速やかに教育委員会に報告している。

学校の報告は国の方針に反していなかったか?

では、学校は重大事態が発生した場合、ただちに教育委員会に報告するという国の方針に関した事実はなかったという認識でよいか。

当時は事故として学校は意識していた。ただ申し立てを受け、申し立てを受けたときには疑いがあるとして調査をするという風にガイドラインで決まっているので、すぐに調査にかかった。

教育長答弁にもあったとおり、学校は、すみやかに教育委員会に報告をしている。

③ なぜ調査結果の公表まで8か月もかかった?

関係者の参考とし、再発防止のため、また総合教育会議で議論するためにも、調査結果はなるべく早く公表した方がよいと考える。

今回、調査結果の市長報告から公表までになぜ8か月以上かかったのか。また調査結果について、公表までの目標期間は定めているか。

公表に当たり必要となる手続きに時間を要したため。

なお、文部科学省のいじめの重大事態の調査に関するガイドラインにおいては、公表までの目標期間を定める規定はない。

具体的にどう時間がかかったのか?

具体的にどう時間がかかったのか。少なくとも関係各省にはすぐ報告書の完成とともに知らせたか。

保護者のご意向等も踏まえてこの時間が必要だった。

ガイドラインにある報告をして遅れたのか?

ガイドラインに、次のように書いてある。

いじめの重大事態の調査に関するガイドライン(平成29年3月・文部科学省)

(調査結果の公表、公表の方法等の確認)
報道機関等の外部に公表する場合、他の児童生徒又は保護者等に対して、可能な限り、事前に調査結果を報告すること。

この、事前にほかの児童・生徒または保護者に対して報告していたから遅くなった部分もあるのか。

ほかの児童・生徒にという?だけではない。

その8ヶ月の間に、きちんとそういった報告はなされたのか。

行っている。

④ なぜ国の通知に従わず、総合教育会議を開いてない?

文部科学省通知に次のように書かれている。

いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について(文部科学省通知)(令和5年2月7日)

title
地方公共団体においては、法に定めるいじめの重大事態(主として1号事案における児童生徒の生命や身体に重大な被害が生じた疑いがある事案)が認められる場合には、速やかに総合教育会議の開催等を通じ、地方公共団体の長と教育委員会とで十分な意思疎通を図り、緊密に連携して対応すること。総合教育会議を開催する際は、会議の開催のみを目的とするのではなく、深刻な事案に対して、地方公共団体の長と教育委員会とが一体となって取り組むための協議の場として実質的に機能するよう取り組むこと。

(ハイライト部は通知の中でも下線で強調されています。)

今回のケースはいわゆる生命心身財産重大事態(1号事案における児童・生徒の生命や身体に重大な被害の生じた疑いがある事案)だが、なぜこれらのことを実施していないのか。

また、これまでに市が対応した生命心身財産重大事態について、上記の通知で求められている総合教育会議を開催していない件数は。

いじめ防止対策推進法に基づき、小平市いじめ防止基本方針や小平市いじめ問題対策連絡協議会等条例を整備し、市と教育委員会が連携・協力して、一体となって取り組む体制を明確にしている。

本事案については、いじめ重大事態の発生の報告を受け、教育委員会と情報を共有し、また、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会における調査について教育委員会を通じて報告を受けた。

教育委員会との連携は図られてきたものと認識していることから、総合教育会議は開催しなかった。

いじめ防止対策推進法第28条第1項第1号に該当する事案は、同法が施行された平成25年度以降、3件あったが、これらについて総合教育会議で取り扱った経緯はない。

市長と教育長2人だけのブラックボックスの中でやり取りすることと、教育委員も出席し議題も公表され、会議録もきちんと残される総合教育会議の場でやることとはまったく意味が違う。

少なくとも通知が来た時点で総合教育会議開くべきでは?

国の通知が来たのは令和5年2月7日。今回のいじめ重大事態の調査期間が令和4年1月7日から令和5年3月23日まで。ということは、調査期間中に国の通知が来ている。

少なくとも国の通知が来た時点で、すぐにでも総合教育会議を開催して対応すべきだったのではないか。

今回公表された報告書、その案件についても調査中ということだったが、総合教育会議で、その案件について取り扱うという判断はしなかったということ。

国の通知に違反しているのでは?

ということは、この国の通知に違反しているのではないかと思うがどうか。

令和5年の2月7日付で、いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携との徹底についての通知があり、その中にそのような記載があることは承知しているが、違反しているという認識は持っていない。

今後同様の事態が起きたら総合教育会議を開催する?

少なくとも今後、このような同様な事態が起きたときは、通知にしたがって相互教育会議を開催するか。

市長答弁にもあったとおり、この案件については、教育委員会と市長部局の方で情報共有をしながら進めているということで、連携は図られていると認識している。

今後のことについては、またその段階で検討するべきものと捉えている。

ときわ会の虐待通報に対する件と同じ臭いがします

小平市は、ときわ会の虐待通報の件に対して、 「虐待通報者がおかしい」 というような認識でいました。

庁内ではその認識で通しており、また利用者保護者などの市民に対してもそのような説明をしてきました。

しかし私がさまざまな関係者からお話を伺い判明した実態はまったく別でした。

そのことは一部報道もされ、一部議会でも指摘され、またときわ会の第三者委員会でも一部の事実が明らかにされています。しかし小平市はいまだに「虐待通報者がおかしい」とした態度を完全には改めていません。

このいじめ重大事態についても、同様に、庁内やいじめ問題対策委員会の中で 「被害保護者の方がおかしい」 という認識で対応をしているのではないでしょうか。

もしそうなら、小平市は、偏ったフィルタを通してしか世界を見ることができなくなっています

通知で求められていることは、してもしなくてもよいという認識?

すると、通知にある「総合教育会議を開催し、緊密に連携して対応すること」というのは、小平市にとっては「場合によってはしなくてもよい。場合によってはしたほうがよいかな。」という認識でいるということか。

緊密な連携を否定しているわけではない。必要があれば、総合教育会議を開催する選択もあるかと捉えている。

総合教育会議で議論が深まらないだろう、時間ばかりかかるだろうという認識で要るのかなと思う。教育委員の人たちに対しても失礼だと思う。

通知で求められ、総合教育会議にかけてくださいと書いてあるのにしないというのは、「教育委員の人たちと審議をしてもいじめ対応が改善されるようなことはない」と言っているのと同じだと思う。

そういう風に見える。

⑤ 提言実施用の計画はつくった?8か月の実施状況は?

当報告書に記載されている再発防止に向けた提言を実施するためには、人員や予算を伴う場合もあり、実施するための計画等が必要と考える。

学校と教育委員会は実施するための計画等をつくったか。また、この約8か月間で、当報告書にある提言の実施状況は。

計画等は策定していないが、各学校に対して学校いじめ防止基本方針に沿った指導を徹底するほか、学校いじめ問題対策委員会において対応方針を明確にすることについて指導・助言を行うなど、提言を踏まえた取組を実施している。

確認できないことをもって実施したというのはダメだが?

提言を受けて言葉どおりに実施しなければ意味がない。

もし何らかの課題があって実施できないなら、その理由を具体的に述べ、代わりにどういったことができるのかを示し、第三者委員会にその妥当性の判断を仰ぐぐらいの必要があると思う。

さもなければ「提言などというものは、恣意的に解釈してしまえばよい」ことになる。

実施したか確認もできない。日々研さんしていますと言ってしまえば、それですべて済んでしまうことになると思うが、どうか。

報告書の方でなされた提言を実施するための計画については、事案特有の提言がなされた際には、個別に対応している。

また、一般的に、というような提言がなされているときには、私どもはやはり次年度の政策立案に生かしていくということが求められていると思っている。

そういった面では、施策の立案の中で計画的に実施している。

だから今言ったとおり。抽象的に含めて何かやりましたと言うなら言ったもん勝ち。

「次の計画に、提言どおりではなく、かつ外の人から見て確認できる状態ではないが、やっています。」と言うなら、言ったもん勝ち。

そんなことではダメで、何も改善できないと言っている。時間がないので再質問しないが。

⑥ 市長報告された「その後の対応方針」の内容は?

文部科学省の「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」には、学校と教育委員会は調査結果を市長へ報告する際、その後の対応方針も報告・説明することとされている。

当報告書と併せて市長へ報告がなされたその後の対応方針はどのようなものだったか 。

小平市教育委員会いじめ問題対策委員会からの報告書の提言に沿って対応していくことを説明している。

⑦ 過去に市長報告された調査結果の累計数と、そのうち所見が添えられた件数は?

これまで市長へ報告されたいじめ重大事態の調査結果の累計件数と、そのうちいじめ被害者や保護者からの所見が添えられた件数は。

いじめ重大事態の調査結果の累計件数は3件。そのうち、いじめ被害者及び保護者から所見が添えられた件数は1件。

⑧ 報告書の公表でどんな効果を期待している?

当報告書を公表することで、小平市教育委員会いじめ問題対策委員会と市教育委員会は、それぞれ具体的にどのような効果を期待しているか。

小平市教育委員会いじめ問題対策委員会では、いじめのない社会づくりと、再発防止の徹底に寄与することを期待しているものと捉えており、教育委員会としても同様。

この報告書でそれが満たされているとは思えない。

これを聞いても満たされているという話になるので(聞かないが)。

以上