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(1)進学先へいじめ情報引き継がれず再発、教育長答弁と真逆だが

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まとめ

令和6年6月6日に行った4件の一般質問のうちの1件目です。

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質問答弁概要(クリックで詳細)
① 答弁と逆だが何を引き継いだ?関係児童の氏名、当該事案の概要など。個別事案に応じ必要な引継ぎをしている。
具体的に何を引き継いだ?一般的には、学習、生活の様子、友人関係、児童の個性や特性、特徴など。進学の際は配慮を要する関係性も。
学校の対応状況を認識している?学校が必要な情報を引き継いでいない認識はない。必要な情報は確実に引き継ぐよう指導している。
実態はほぼ何も引継いでないが?そのような報告は受けていない。
いじめが再発しているがそれでよいのか?引継ぎは十分行い、学級編成の際に配慮を要することも伝え、(生徒同士を)別の学級にもしている。
氏名と概要を引継いだというが、いつ学校に確認した?資料がなく、今ここで日時は言えない。
氏名と概要の引継ぎでは足りないが?学校からは必要な引継ぎをしたと報告を受けている。
引継いだと言っているのは小学校?そう。
中学校には聞かなかったのか?聞いてはいないが、やり取りの中で情報を補足することもあったため、概要について十分引継ぎできている認識。
その場しのぎの態度でよいのか?必要な引継ぎは確実に行うようにと指示を出しており、学校からも必要な引継ぎをしたと報告を受けている。
② 重大事態の調査結果が出るまでは、いじめ情報を引き継げない?事案により異なるが、調査結果が出る前でも、進学に際し必要な内容は伝えている。
引継ぎ不足がいじめ再発を招いたという認識なし?引継ぎは一律に行うものではないと言われている。事案ごとに必要な引継ぎはしている。
引継ぎを見直す予定はない?そうは言ってない。必要な引継ぎができるよう、学校には指導助言していく。
③ 重大事態の調査結果が出るまでは、指導できない?いじめが確認された場合は、加害側への指導・助言を継続的に行うものと捉えている。
学内組織による通常のいじめ対応は?校内委員会で対応し、必要な調査・指導をしている。
いじめ重大事態でもそのプロセスは走る?事案ごとに違う。不登校だったり緊急性が生じたりすることもあるので、応じた調査対応をしている。
通常のいじめ対応をする学内組織と第三者委との情報連携は?必要な情報の連携はしている。面談に応じることもあるし文書で情報共有することもある。
調査中でも指導できる?できる。
「調査中でも指導できる」は明文化されている?意見として受けたい。
④ いじめ情報引継ぎ時の課題は?互いに必要とする情報を理解し共有することが課題。必要に応じて適宜機会を設定しながら丁寧に引継ぐことが重要。
個人情報審議会への諮問が必要なこともある?加害側が情報を出したくないときは、個人情報を保護するため控えることもある。
⑤ 学校いじめ防止基本方針が改訂されていないが?現在、小平市いじめ防止基本方針の改定に向け準備進めている。各校の学校いじめ防止基本方針は、この改定後に見直しする予定。

通告書

主な質疑

以下の質疑は要約です

正確な質疑内容は会議録をご参照ください。なお実際は理事者側の答弁すべてが敬語表現でなされています。ここでは簡略化のため敬語表現を省いています。また、分かりやすくするために、ここではすべて一問一答に見えるよう順番を並べ替えています。実際は、初回質疑は一括質問・一括答弁方式です。

*「真逆」は若者言葉だそうですので、以下では「逆」という表現にしてあります😅。

質問する理由

情報が引継がれず進学先でいじめ再発

市立小学校で認定されたいじめ重大事態(以下、重大事態と呼ぶ)の被害児童が、加害児童とともに市立中学校へ進学した。その後、同中学校で関連のいじめが再発。学校内いじめ対策組織により正式にいじめと認定された。

同中学校は加害生徒の指導をするうえで「小学校で起きた重大事態を前提とした指導はできない」旨の説明をし、理由として 「小学校でのことは公式には引き継がれていない」 ためとした。

重大事態の調査は小平市いじめ問題対策委員会に委ねられている。そのため調査状況について進学先の学校が把握していないことは理解できる。

しかし調査状況とは関係ない児童間の関係性や、当該児童に指導・説明した内容も進学先の学校へ引き継がれていない。これでは連続性のあるいじめの対処・指導ができない。

小平市いじめ防止基本方針 や、学校いじめ防止基本方針に著しく反する状況だ。

12月の教育長答弁は嘘だった

私は昨年12月定例会の一般質問で、小平市立花小金井小学校の学校いじめ防止基本方針 について質問した。

同基本方針の令和4年度版までは 「被害・加害児童の情報を進学先中学校に提供し、いじめが繰り返されないようにする」 旨の記載があったが、令和5年度版ではその記載が消えている。これはなぜかという質問だった。

教育長は次のとおり答弁した。

当該小学校におきましては、進学先において同種の事案が繰り返されることがなく、被害児童及び関係児童が円滑な学校生活を送ることができるよう配慮することを第一に中学校へ引継ぎしていることから、基本方針に特段明記する必要はないと判断し、記載しておりません。

しかし、上記のとおり、小学校の情報は中学校へ引き継がれず、いじめが再発した。青木教育長の答弁は嘘だったことになる。

教育長の責任は重い

保護者から、そして議会で明確に指摘されたにもかかわらず、教育長は事実を確認して改善につなげる職務を怠り、いわば虚偽の答弁で指摘をやり過ごしたとも言える。その結果、生徒が被害にあっている。教育長としての責任は重いと考えることから、以下質問する。

① 答弁と逆だが何を引き継いだ?

小学校でのいじめ事案に関し、昨年末に青木教育長は 「同種事案が繰り返されることなく、被害及び関係児童が円滑な学校生活を送れるよう中学校へ引き継いでいる」 旨の答弁をした。

しかし引継ぎの事実はない。いじめは再発した。

教育長は具体的に何を引き継いだとしたのか。答弁と逆の事態になっていることに責任を感じているか。

いじめ重大事態の引継ぎについては、関係する児童の氏名、当該事案の概要など、個別の事案に応じて必要な引継ぎを行っているため、昨年12月の答弁と逆の事態になっているとは捉えていない。

具体的に何を引き継いだ?

具体的に何を引き継いだのか。

加害と被害は誰で、誰が関係者で、どんないじめがあり、どんな指導をしたか。今後どういった状況で再発する可能性もあるので、どういった注意が必要だとか、そういったことは引き継いだか。

個別事案の引継ぎについて答弁は差し控えるが、一般的には学習、生活の様子、友人関係、児童の個性や特性、そのほか、ピアノが弾けるとか、走るのが速いといったような特徴などを引き継いでいる。

また進学に際しては、学級編成の際に配慮を要する関係性にあるときにはその旨も伝え、進学先で同種の事案が起こらないよう努めている。

個別の事案について、何が課題だったかを深掘りしていかないと、ほかの事案についても改善できない。

保護者からは、小学校は 重大事態発生の届けを読み上げ、関係生徒の名前を読み上げただけ だったと聞いている。関係生徒というのも、加害が誰かとか、そういった話もなかったのでと思う。

被害者が長い時間かけて中学校の校長先生とお話しされ、中学校の校長先生が背景を汲み取ってくださり、やっと、なるほどという話だったようだ。

それでもなお、小学校で過去にどこまでの指導がなされたかすらわからない、そういう状況だった。中学校も困っているのが事実だそう。

本質的な引継ぎができていないのが実態。

学校の対応状況を認識している?

教育委員会は理想(論)で「こういったことをしてください」と言う立場と思うが、学校はきちんとそういったことができていない。そのような状況は認識しているか。

学校が必要な情報を引き継いでいないという認識はない。必要な情報は確実に引き継ぐよう指導している。

実態はほぼ何も引継いでないが?

小学校は、重大事態の発生の届けを読み上げて、関係生徒の名前を読み上げただけだった、それが引継ぎだった、という事実は認識しているか。

そのような引継ぎを行ったという報告は受けていない。

いじめが再発しているがそれでよいのか?

報告を受けていないから分からないというのは大きな問題。

引継ぎできていないからいじめが再発しているのに、それでよいのか。

「引継ぎができてなくていじめが再発しても私たちは知りません」と言っているのと同じだ。それでよいのか。

必要な引継ぎはしている。

今回再発をしたということだが、引継ぎは十分に行った上で、学級編成の際に配慮を要することも伝え、(生徒同士を)別の学級にもしている。

本当に分からない。なぜそういう答弁をしなくてはならないか。嘘の答弁をしてよいのか。

氏名と概要を引継いだというが、いつ学校に確認した?

一応聞くが、氏名と概要を引き継いでいるといった内容を、いつ学校に確認したか。

前回私が質問したときに確認したか、それとも今回の一般質問通告書が出されてから確認したか。

当該の小学校が当該中学校への引継ぎをいつ行ったかという日付までは今把握していない。

いやいや、教育委員会が、引継ぎ内容をいつ学校に確認したか。

教育委員会がいつ、その報告を聞いたかについては今ここで日時を言うことはできない。資料がない。

氏名と概要の引継ぎでは足りないが?

一応聞くが、先ほど「さまざま必要な情報を引き継ぐよう学校には言っている」と答弁したことと齟齬があるのではないか。

教育委員会が求めている引継ぎとして、氏名と概要だけだと足りないのではないか。そもそも概要というのは何のことだか全然分からないが。

事実としては、氏名と重大事態発生の届けしか述べられていない。それが概要ということかもしれないが。

小学校から中学校に引き継いだと言っている情報は、(教委が求めているものには)まったく足りないのではないか。

学校からは必要な引継ぎを行ったという報告を受けている。

引継いだと言っているのは小学校?

小学校が言っているということか。

そのとおり。

中学校には聞かなかったのか?

中学校からは聞かなかったか。必要な引継ぎが行われているということを。

お互いに必要だと思われる情報を引き継ぐことにしていると答弁していたが、中学校には確認したか。

中学校からは特段そのように聞き取りはしていないが、教育委員会と中学校とのやり取りの中で必要な情報はこちらから補足することもあった。

そのため、概要については十分引継ぎを行えているという認識でいる。

その場しのぎの態度でよいのか?

先ほども言ったが、中学校も困っているのが事実。教育長として、これでよいのか。

ただでさえいじめ重大事態が何度も発生している小学校で、保護者から再三の指摘を受けている。議会でも指摘を受けた。

答弁がその場しのぎになるのは、組織的な理屈があるのかもしれないが、子どもたちのことを考えるなら、その子たちが同じような状況に陥ることのないようきちんと対応を見直して改善の指示を出すべきだったのでは。

教育長、どうか。

必要な引継ぎは確実に行うようにという指示を出している。

学校からも必要な引継ぎをしたという報告を受けている。

② 重大事態の調査結果が出るまでは、いじめ情報を引き継げない?

重大事態の調査結果が出るまでは、関係児童・生徒の当該いじめに関する情報を進学先へ引継ぎできないのか。

重大事態の事案により異なるものと認識しているが、調査結果が出る前であっても進学に際して必要な内容については伝えている。

引継ぎのルールや方針が必要だが?

どういった情報を引き継ぐとか、きちんとしたルールや方針作りをし、各学校のいじめ防止基本方針にも入れ込んでもらう必要があると思うが、どうか。

調査の進捗によってどこまで引継ぎができるかというところはあるが、そのあたりについては学校からの相談を受け、指導課としても助言をしている。

引継ぎ不足がいじめ再発を招いたという認識なし?

いじめが再発している。それを受けて対応を変えないのか。

引継ぎがきちんとできていなかったからいじめが起きたという認識ではないのか。教育長。

引継ぎは一律に行うものではないと言われている。事案ごとに必要な引継ぎはしている。

引継ぎを見直す予定はない?

「今回いじめが再発したことは引継ぎの問題ではなかったので、引継ぎに関しては今後も見直す予定がない」と、そういう理解でよいか。

引継ぎを見直す予定がないとは言っていない。必要な引継ぎができるよう、学校には指導助言をしていく。

改善してもらいたい。

③ 重大事態の調査結果が出るまでは、指導できない?

重大事態の調査結果が出るまでは、当該いじめに関して関係児童・生徒へ指導できない状況があるようだが見解は。

いじめがあったと確認された場合は、いじめを行った児童・生徒に対する指導またはその保護者への助言を継続的に行うものと捉えている。

行うものと捉えているけど、できていないという話なのか。

学内組織による通常のいじめ対応は?

重大事態ではない(通常の)いじめ対応の際は、学校のいじめ問題対策委員会などの学校内いじめ対策組織において迅速に調査し、加害や関係児童に指導しているという認識で正しいか。

そう。校内の委員会において対応している。

その組織の中で、重大事態ではない(通常の)いじめの場合、どのような経緯やプロセスで最終的な児童・生徒の指導につながっているか。

必要な調査をし、必要な指導を児童に行っている。

いじめ重大事態でもそのプロセスは走る?

いじめ重大事態のいじめにおいても、その、必要な調査をして必要な対応(指導)を行うプロセスは走るのか。

それとも別のいじめ重大事態の特別なプロセスが走って、通常のそういったことは行われないことになるのか。

重大事態に関しての校内での取り組みということであれば、その事案ごとに違う。

重大事態なので、不登校の状況にあることや、場合によっては緊急性が生じることもあるので、そこに対応するような調査対応を行っている。

通常のいじめ対応をする学内組織と第三者委との情報連携は?

いじめ重大事態に関しては、小平市の場合、第三支援委員会が調査している。

通常のいじめ対応をする学校内組織と、第三支援委員会との間で、情報の連携はどうしているか。

必要な情報の連携は行っている。面談に応じることもあるし、文書で情報共有することもある。

調査中でも指導できる?

重大事態の調査に関するガイドラインや、いじめの防止のための基本的な方針には、「調査と並行して行う関係児童・生徒への指導」についての記載が見当たらない。

あえて挙げれば、

  • 加害児童・生徒の出席停止
  • 被害児童・生徒やその保護者が希望する場合は転校するなどの弾力的な対応を検討する

ようなことしか書かれてない。ガイドラインには「調査結果が出てからの指導」についてのみ書いてある。

つまり、いじめ重大事態の調査中は、特に指導はできず、できることといったら上記の2点くらいしかないと読める。

しかし、そういう認識ではない、ということでよいか。

そのとおり。

「調査中でも指導できる」は明文化されている?

いじめ重大事態の調査中でも、どんな指導をするといったことは事前に決まっているんか。

先生方は「重大事態の調査中だから、きちんとした指導ができない」と思われているのではないか。

先生方が対応をためらわないような指針等はあるか。

「いじめ重大事態の調査中であっても、いじめの指導は並行して行う」といったことを明文化しておく必要があると思うが、どうか。

調査中であることをもって必要な指導をしないということは決してない。

ただ、それをどこかに明文化すべきというのは、意見として受けたい。

④ いじめ情報引継ぎ時の課題は?

いじめ関連情報の引継ぎをする際の主な課題は何か。個人情報の保護が影響するか。

引き継ぐ側と引継ぎを受ける側の双方が、互いに必要とする情報を理解し、共有することが課題であり、必要に応じて適宜機会を設定しながら丁寧に引継ぎを行うことが重要と捉えている。

なお、事案の内容によっては、個人情報の保護が影響する場合もあるものと認識している。

個人情報審議会への諮問が必要なこともある?

通常は小平市内の学校のことであれば、個人情報の保護の対象外なはずだが、場合によっては小平市情報公開・個人情報保護・公文書管理審議会 への諮問が必要になることもあるということか。

たとえば、加害児童・生徒や保護者が情報を出したくないとしたときには、個人情報を保護するために控えることもある。

⑤ 学校いじめ防止基本方針が改訂されていないが?

小平市立花小金井小学校の学校いじめ防止基本方針で、進学先中学校への情報提供についての記載が消えた理由について、昨年12月に市教育委員会は次のようにも答弁をした。

引継ぎをしていないことでは決してないが、誤解を招くのであれば改めたいとしている。改定の際に見直す予定。

しかし令和6年4月1日に発行された同基本方針の令和6年度版でも当該部分は見直された形跡がなく、記載がないままだ。見解は。

現在、小平市いじめ防止基本方針の改定に向けて準備を進めており、各校の学校いじめ防止基本方針については、小平市いじめ防止基本方針の改定後に見直しを行う予定。

以上